「一瞬の光陰 軽んずべからず」という言葉があります。

齢を重ねるごとに、重みを感じる言葉です。

ひと時ひと時を大切に生きなさいよという、諭しの言葉。



ごぼうやレンコンを切り、米こうじを8時間かけてじっくりと発酵させ、「おかずみそ」を作りながら、過ぎ去りし日々を思い出しています。

10kgのおかずみその、ふくいくとした香りが充満するキッチンに立ち、若かった日々を思い返す夜。



若かった頃は、こんなに美味しいおかずみそを作る技術も知識もなかったわ。

ましてやカラスミを作るなんて、考えたこともなかった。

これらの保存食は、お節料理テイクアウトレッスンの日に販売しようかしら?  お正月には保存食があると助かるわよね。

それとも、来週のマダムクラスで皆さまに試食して頂こうかしら? マダムたちには、さまざまな味を知って欲しいから。

皆さまの思いを、あれこれ推察しつつ。



大輪の百合の花が香る料理サロンに立てば、溢れる体力や気力があった若き日々を思い出す。

苦い思い出も、悲しい思い出も、ふつふつと蘇る。

しかし今は、私の周りにいる方々への「思いやり」の心を優先的に考えられるようになった。

齢を重ねることは、「優しくなること」だと自己肯定する。





今日の「思い出 金賞ショット」

寿し道「桜田」の若き店主。グルメ会の引率。





この「コハダ」を食べた瞬間に、若き日の思い出が走馬灯のように蘇った。

かつて通いつめた、赤坂の寿司「喜久好 きくよし」。コハダのおいしさを知った店だった。

このコハダの寿司が食べたくて、仕事が終わってから何度も新幹線に飛び乗った。

若き頃の私、むこうみずで、やんちゃくちゃで、奔放だった。

その頃に戻りたいと、ふと思う。

齢を重ねた今は、思い出も生きる底力となっている。