『天と地』
原題:『HEAVEN & EARTH』
1993年 アメリカ
『プラトーン』 『7月4日に生まれて』 で
ベトナムを描いたオリバー・ストーン監督作品。
これは先の2作とは違う視点で描かれたベトナム映画です。
1960年代、戦禍のベトナムで様々な苦難を乗り越え
出逢った米兵と結ばれアメリカへ渡るも
またも苦難が待ち受けて・・・という実在のベトナム人女性の半生を描いた作品。
主な舞台であるベトナムの風景がとても美しい。
主人公の生まれた農村風景の中繰り広げられる人々の暮らしとか
宗教観とか、土地に対する価値観とか
外国人が撮った作品のわりには
とても丁寧に描かれていると思います。
<なかなか画像が見つからず、別バージョンのジャケット写真でご勘弁下さい>
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あえて例えに挙げさせて頂きますが
『ラストサムライ』って、私はものすごく違和感感じたんですよね。
武士道精神を描いた作品、という事なんでしょうが
一生懸命再現したのであろうセットが残念ながら全然違うっていうか、
そもそも空気が違うっていうか。
アジア特有の湿度が感じられ無かった。
そういう風土って、その土地特有の精神構造が形成されるにあたって
結構重要だったりするんじゃないかと思うんです。
そう思うとなんかしっくり来なかった。
最後まで観るのが辛かったのを覚えています。
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まぁ、そんなイメージ論はともかく
この 『HEAVEN & EARTH』 という作品
好きな作品のひとつなんですけど
評価はあまり高くないようですね。
視点が若干アジア寄りだから
アメリカ人には理解出来ない部分も多いのかも。
色んなテーマが重くのしかかる作品です。
生きるってしんどいな。
余談ですが、私にこれを紹介してくれた後輩ってのが
ふだんはちゃらちゃらへらへらしてて
とてもこんなどっしり重い作品を観るようなタイプの子じゃなかったので
ちょっとびっくりした思い出もあります。
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