『Das Leben der Anderen』
邦題 : 『善き人のためのソナタ』
英題 : 『THE LIVES OF OTHERS』
2006年 ドイツ
前から気になっていた作品をやっと観ました。
舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツ。
密告と盗聴という手段を用いて、国を管理する共産党の体制が描かれています。
この映画で驚いた事が3つ。
ひとつは、この映画を撮った監督が、若干33歳だったという事。
それゆえなのか、重いテーマながら美しいみずみずしさが画面に溢れていたように思います。
監視されている劇作家・ドライマンが誕生日に贈られたのが
邦題にもなっている 『善き人のためのソナタ』 の楽譜。
そしてそれを恋人の前で弾くドライマン。
それを盗聴している主人公が初めて心を揺さぶられる重要なシーン。
とても美しい演出だと思いました。
そしてラスト近くで描かれていて驚いたのは
当時監視されていた人の資料が、その後閲覧出来ているという事。
しかも、その記録を取った人物の情報まで開示されていました。
そして 【壁】 が崩壊したのが1989年で
もう今年で20年経つという事実。
この歴史に残るニュースを、記憶している20代の人たちは少ないんでしょうね。
・・・逆にとらえれば、あのような閉鎖的な社会が
“たった”20年前まで、ヨーロッパの中で存在していたという事。
この20年で世界は大きく変わりました。
自分はどうでしょう。
ただ単に歳をとっただけではない、と思いたい・・・(・_・;)