みなさんこんにちは
国際保健部OB、歯科医師の谷野です。
(幼稚園での活動終了後。2002)
私は2002年に国際保健部に入部しさまざまな活動に参加してきました。
現在は日本大学松戸歯学部口腔外科の大学院を修了し博士号を取得し、総合病院である社会医療法人蛍水会名戸ヶ谷病院の歯科に所属する傍ら、大学の兼任講師、JAICOH(歯科保健医療国際協力協議会)理事、OISDE(歯科医学教育国際支援機構)理事をさせていただいております。また、JICA(国際協力機構)の口腔保健専門家をしてカンボジアでの活動にも従事しております。
私が初めてカンボジアを訪れたのは2002年です。OISDEの宮田隆理事長が企画していただいたスタディーツアーに参加しました。
現在ではアンコールワットなどの世界遺産が有名で、日本人が訪れたい世界遺産で1番になるほどの人気の観光スポットがある国です。
(初めて訪れたアンコールワット。2002)
しかし、カンボジアで忘れてはいけないのは暗黒のポルポト時代です。あらゆる知識人を虐殺し、ほんの数年で国土は荒廃し、発展目覚ましい現在でもその名残を残しています。歯科医師も例外なく虐殺され、ポルポト政権崩壊時にはカンボジア国内にたった5人しか残っていなかったと聞いています。
歯科治療を受けることはもちろんのこと、歯科医療を教育する人間が皆無となり、さまざまな国や国際NGOが支援してきました。OISDEはその前身の活動は1990年代初頭より支援を行い、現在も継続して支援してきています。
OISDEのモットーはその場限りで終わってしまう「医療」を提供することなく、「教育」を実践し指導者の育成することにあります。「医療」はとても分かりやすくその場の人間を救うことができるものの、その反面支援者がいなくなってしまえばそれまでです。また、その後のフォローアップもなかなか難しいものです。その場限りになってしまうことが否めません。
OISDEが実践している「教育」は今、生きるか死ぬかの人々にとってはとても難解でなかなか受け入れてもらいにくい側面があるものの、一度根付いてしまえばそこからは現地の人々を育て継続性が担保できます。日本が世界一の乳幼児死亡率になれたのは母子保健や学校保健などの健康教育のたまものであったのではないかと思います。
私は、現地の人々が何のために歯を磨くのか、何のために食事の前に手を洗うのかといったところの教育すらままならない状況を目の当たりにしてきました。身を以て健康「教育」の重要性を体験してきました。2010年にはJICAの専門家をしてカンボジアに4か月赴任し活動を行ってきました。その話はまた後日。
シアヌークビルでの保健活動。2004
シェムリアップでの活動。2007
アンコール小児病院にて。2007
カンボジアの友人(Dr. SokChea)の歯科クリニック。2007
カンボジアの歯科医師Dr. SokChea。古くからの友人で今では兄弟と言ってくれる。
都市部では歯科クリニックは増えているが、地方ではまだ少なく、こういった伝統的歯科医の開業が目立つ。
口腔保健専門家をしてカンボジア赴任。現地調整員と。2010
ヘルスサイエンス大学歯学部学部長と。2010
現地での活動。2011
名物タランチュラ(実際は地蜘蛛?)の甘露煮
アヒルの卵。
中身はこんな感じ。孵化前・・・
是非学生諸君! 一緒に国際ボランティアにいきましょう!
谷野弦