とてつもなく大きな数は???【グラハム数】 | 数学美術館 

とてつもなく大きな数は???【グラハム数】

こんにちは。

数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。


1googolplexplexplex・・・


よりも大きな数がグラハム数と呼ばれるものだとご紹介しました。


グラハム数とは一体どんな数なのでしょうか?

(ここでいう、plexplex…よりも大きな数というのは、plexをいくつつけてもなかなか追いつきそうにない、という意味であって、plexを無限につけていくと有限であるグラハム数よりかは大きくなるのは当然です。)



その前に、クヌースやアッカーマンが導入した矢印表記を示します。


x↑y



x↑y=xのy乗


と定義します。x^yという表記をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、これはクヌース矢印表記の矢印が簡略化されたものなのです。


次に


x↑↑y



x↑x↑x↑・・・↑x (xがy個)


と定義します。


すなわち、x↑↑yを帰納的に以下のように定義します。


x↑↑1=x

x↑↑y=x↑(x↑↑(y-1))


具体的に例を挙げますと、



4↑↑24↑↑3、4↑↑4 はそれぞれ、


数学美術館 -4^4数学美術館 -4^4^4数学美術館 -4^4^4^4


となります。


4が2つ、3つ、4つ上についていく数になるのですね。



では更にクヌース数を帰納的に定義しますよ。↑↑↑は、以下のように定義します。


x↑↑↑1=x

x↑↑↑y=x↑↑(x↑↑↑(y-1))



例)

4↑↑↑2=4↑↑(4↑↑↑1)=4↑↑4


4↑↑4は上で示した数ですね。



4↑↑↑3=4↑↑(4↑↑↑2)=4↑↑(4↑↑4)・・・


これはいったいどうなるのでしょうか?

4↑↑(4↑↑4)とは、4の上に4が4↑↑4、すなわち、4の4の4の4乗乗乗乗こ連なるという数です。(もうすでに書ききれません)


4↑↑↑4でもう書けなくなってきました。。。。



一般的に、↑がn個あるものを「↑…(n個)…↑」=「↑n」と表記し、以下のように定義します。


数学美術館 -x^^^^1

数学美術館 -x^^^^y


さて、ここでやっとグラハム数を定義できます。

グラハム数とは、


数学美術館 -グラハム数

のことです。


どれくらい大きいかというと、もう説明もできないくらい大きいのですが、例のごとくWikipediaグラハム数 にしっかりと書いてありました!ぜひそちらもごらんくださいね。


グラハム数が、どの分野のどんなときに登場するのかはよく知りません。ぜひグラハム数について紹介している本がありましたら、ぜひ教えてくださいね!!


<参考文献>

数の本 J.H.コンウェイ

Wikipedia