自然数とは??
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
少し休憩していましたので、文字を大きくしての登場です!
さて、前回まで無限のお話をしていました。
無限大(どんどん大きくなること)や無限小(どんどん小さくなること)は、イメージしにくいので高校数学などでは曖昧にされています。
また、日常で無限大について表現するときも我々は曖昧に話しますね。
例えば
「自然数とは、1,2,3・・・となるものだよ」
う~ん、「・・・」って一体なんでしょう???
曖昧です!
では、数学的に自然数とはどのように定義されているのでしょうか?
「・・・」など曖昧な言葉なしで定義できるのでしょうか?
それに成功したのが、ペアノという数学者です。
ペアノは、「自然数」「の後者」「0」を無定義用語(これ以上説明できないものとして、意味を考えずに使用する言葉のこと)として、5つの公理を示しました。
【公理1】
0は自然数である。
【公理2】
任意の自然数の後者は、自然数である。
【公理3】
自然数xの後者と自然数yの後者が一致しているなら、x=yである。
【公理4】
0はどの自然数の後者でもない。
【公理5】
ある性質が0に対しても成り立ち、その上、その性質を持つ任意の自然数の、その後者に対しても成立するなら、その性質はすべての自然数について成立する。
いかがでしょうか?
よくよくよ~く読んでみると、これらを満たすものを「自然数」と定義しましょうといっているのです。
公理1と公理2によって、
「0の後者も自然数」
と分かります。
それを1とでも名づけましょう。
1は自然数なので、1の後者も自然数となります。
それを2と名づけましょう。
・・・
と言うように、自然数が次々と決まってくるのです。
幼稚園から使っていた自然数。
しっかりと定義しようとすると、こんなにも複雑なのですね・・・。