数学者メルセンヌ | 数学美術館 

数学者メルセンヌ

こんにちは。

数学学芸員のようじです。



今日ご紹介するのは、素数の研究に大きく貢献した数学者の話です。






17世紀フランス。


世間では、素数を1つの公式で表せるか研究が進んでいました。

その素数の研究に大きく貢献した数学者がいます。


その名は、マラン・メルセンヌ(1588-1648)。

神学者であり、哲学者であり、そして偉大な数学者でした。



メルセンヌはある形で表せる素数に注目をしました。


数学美術館 Musee des Mathematiques
2のべき乗から1を引いた数です。


nに1から数を入れていくと、


1, 3, 7, 15, 31, 63, 127, 255・・・


といった具合です。





そう、パソコンやITに詳しい方は「2進数で1111…と続く数か」と気付かれると思います。


このような「2のべき乗ひく1」で表せる数をメルセンヌ数といい、しかも素数のときメルセンヌ素数といいます。




上で挙げた例のうち、3, 7, 31などはメルセンヌ素数ですね。









では、メルセンヌ素数はどのくらいあるのか?


メルセンヌはそう考えました。そこでメルセンヌは


「nが257以下では、n=2, 3, 5, 7, 13, 19, 31, 67, 127, 257のとき、素数になるが、それ以外では素数にならない」


と予想をしました。






計算機やパソコンのない時代、すべて手計算で素数かどうかを判定しました。

nが小さいうちはまだいいのですが、nが大きくなると、メルセンヌ数自体がとてつもなく大きくなります。


n=31のとき、メルセンヌ数=2147483647になります。。。


とてつもなく大きな数ですね。これが素数かどうかを判定するには、そうとうな労力がかかります。

(この数が素数であると証明したのはオイラーでした。)








現在、メルセンヌの予想は一部はずれていることが分かりました。


n=67, 257は素数でないことが分かり、メルセンヌの予想にないn=61, 89, 107も素数であることが分かりました。










さて、ここまで読まれた方はお気づきになるかもしれません。






そう。メルセンヌ数が素数となるときは必ず、nが素数のときです。




どうしてかって?



それは神様からのちょっとしたクイズです。

ぜひご自身でその秘密をあばいてみてください・・・。