勘当されてしまったスサノオ。
まあいいや、逆にラッキーと思ったかどうかは分かりませんが、
黄泉の国に行くことにしました。


ただその前に、姉であるアマテラスに挨拶をしようと思い、高天原に向かいます。


しかし、アマテラスは
「やばい!暴れん坊のスサノオがこっちに来てるわ!
きっとアイツ、この高天原を奪いに来たに違いないわ!」
と勘違い。

迎え撃ってやろうと、弓矢を構えてスサノオを待ちます。


困ったのがスサノオです。

「ただ姉ちゃんに挨拶しようと思っただけなのになぁ。
このままじゃ殺されちまうかもしれん。」

そこでスサノオは、アマテラスの疑いを解くために『ウケヒ』をしようと思い付きます。

『ウケヒ』とは誓約のことなのですが、
どっちかというと賭けだと思った方が分かりやすいです。


スサノオはアマテラスに勝負を持ちかけます。

スサノオ、アマテラス双方の持ち物から、新たに神を生み出す。

スサノオが潔白で、高天原を攻めるつもりなどないのならば、
スサノオの持ち物から生まれる神は優しい女神になるだろう、と。


この『ウケヒ』、賭けによって、
スサノオは自らの潔白を証明しようとしたのです。



そして結果、アマテラスの持ち物からは男神が、
スサノオの持ち物からは女神が誕生しました。


スサノオの潔白が証明されたのです。



アマテラスは安心してスサノオを高天原に迎え入れます。



ところが、スサノオは高天原を攻めるつもりはありませんでしたが、
元来が暴れん坊のジャイアン気質。

田んぼや畑の作物を
「お前のものは俺のもの」
と理不尽な理屈で勝手に食べたり、

田んぼにイタズラして水路を埋めたり、

アマテラスの住む御殿の敷地にウンコをばらまいたり、

好き放題やらかしました。



高天原に住む神々は
「アイツをなんとかして下さいよ!」
とアマテラスに泣きつきます。

しかし、アマテラスにとってスサノオは弟。

「ごめんね…。でもきっと、あのコにはあのコの事情があるのよ…。」
と、スサノオを庇いました。





そんなある日。

アマテラスが、他の神にプレゼントするために、はた織り機で衣を織っていた時、
スサノオは屋根に穴を空け、
その穴から皮を剥いだ馬を落とすという、とんでもないことをやらかします。


アマテラスと、はた織りを手伝っていた付き人たちは、大パニックになりました。


そして大パニックの最中、
はた織り機の部品が付き人に刺さり、
その付き人は死んでしまったのです。



この出来事にアマテラスは心を痛め、同時に怒りを覚えます。

そして、『天岩戸(あまのいわと)』と呼ばれる洞窟に引きこもってしまいました。


太陽の象徴であるアマテラスが隠れてしまい、
高天原も、葦原中国も闇に覆われ、
様々な災いが生じることとなりました。