走ること ~エントリーから大会までのこと
走ること ~当日のこと 1

続きです。




その後、ゴールまでは “きっと会える” と “5時間切る” を、ひたすら考えながら走ってた。
一歩一歩ゴールが近づいてくると、応援の人たちも多くなってくる。
走り終わって帰る人も歩いてる。
途中で、山下さんと野口さんの姿が見えたけど集団の中にいて声もかけられなかった。

“きっと、山下さんも初マラソンで完走したんだ自分も頑張ろう”

(山下さんは数年前から言霊に出演していただいていて、同い年で筋トレを一緒に行ったり
昨年はトライアスロンに挑戦して、見事完走した時には刺激をもらった。
近くで頑張ってる人がいる。応援したくなる人がいると自分も頑張らないと思えて、
でも、何を頑張っていいかもわからないでいつも通りの日常をダラダラ過ごしてしまっていた。 今、頑張るということは走りきって歩かないで完走すること。)


(思えば、36年も生きてきて今まで何も達成できたことがないことがコンプレックスだった。
作詞作曲が好きで弾き語りでライブを続けているけどデビューしてるわけでもなくて。
カメラが好きで写真の会社に就職させてもらえたけど未だに新卒のような扱いでフリーにもなれず。
大学も中退、資格もなくて、全部中途半端。
承認欲求だけが膨らんで、何もできていないのに一番認めてもらいたい人は側にいない。
今、唯一認めてもらえるとしたら歩かないでゴールすること。
何時間走ってるかわからないけど、4時間以上走り続けられる足と気持ちがあると自分で認められるかもしれない。)



アスファルトの路を左に曲がるとゴールのゲートが見えてきた!


(戦いが終わる。自分に勝てる。)



完走できたーーーー!!



ゴールの時 “走りきった、会える!”
“会えるから走り切れたんだ” と頭に浮かぶ。


達成感か安心したのか、わけもわからず涙が出てきた。

(人生なんて映画のようなことなんてない。 淡々と時間が過ぎてく中で、思い出を映画の中みたいに組み立てていくことしかできない。
人生の方がもっと残酷で、ゆっくりと出来ないことが増えていく。
だけど、ゆっくりでも大切な人と何かに向かっていけたら映画以上の感動があるかもしれない。)

ゴールした後、靴に付けていたチップを外して受付みたいなところに行くと、
記録証をいただいた。

本当に5時間切れてる。

崩れ落ちそうなまま人の少ないところに向かう。
開けた芝生の上に身体ごと倒れこみ、また泣きそうになるけど涙を堪える。

余韻に浸っているとだんだん体が冷えてくる、、
タオルにくるまりながらマラソンを走ると伝えた人に報告
親と妹、友人や同僚、SNSにも載せたりすると
「すごい」や「おめでとう」と言っていただき、身体を気遣ってくれたりするのにまた泣きそうになる。

こんなちっぽけな男を応援してくれて、賞賛の声までくれる。
ありがとうございます。


一緒に来ていた会社の先輩がいる車に戻り、報告するとすごく喜んでくれた(フラフラのまま鼻水と涙のグシャグシャな顔で「完走しました!」と言ったら感動してくれた。
すごくいい顔だったと、、)
先輩は、股関節の痛みと戦いながら第三関門の27㎞地点に間に合わずリタイアになってしまったようで、次回リベンジしたいと話していた。
無理やり誘って出場していただき、「フルマラソンなんて絶対無理」と話していたのに、
次回は絶対完走すると意気込んでいて、フルマラソンに挑戦することで気持ちが変わってるのが嬉しかったしマラソンの力なのかと思った。


そんな中、山下さんから「完走しました」と嬉しいメールをいただき、
自分も完走したことと、今度お祝いしましょうと伝えた。
(本当によかった。膝は大丈夫かな? 今度、会った時に詳しく話を聞こう。)

安心して帰宅の準備をする。
全く普通に歩ける状態じゃないけど、運転は大丈夫でした。


帰りの途中で先輩とご飯を食べて19時には帰宅してた。
帰って来てから両親に電話で再度報告したら “誇りに思ってます” と言ってもらえて、
フルマラソンの達成感がまた大きくなった。
(意識を新しくすることや、挑戦することなんて誰でもできる。
何かをやり遂げることが自分の世界を大きくするし、視野も広くなることだと思う。
自分だけの小さな世界で周りを決めつけていて、近くの人からの言葉を聞かない様にしていたら大切のことを見失ってしまう。
自分がうまくいっていない時、周りの人のせいにして新しいことを始めても、根っこの部分は何も変わってないし成長なんてできない。
成長するために必要なことは環境を変えることじゃなくて、精神的な部分で乗り越える事だと思う。 戦っても、助けを求めても、傷ついたとしても、逃げ出してもいいからしっかり乗り越えないと呪いみたいに縛られてしまう。
思い出したくない事ばっかり頭の中にこびり付いて、道路に溶け残った雪みたいに真っ黒な塊になっていつまでも頭の隅に残ってしまう。
しっかりと受け入れて乗り越えないと。)


湯船に入って、念入りに足のマッサージ
22時頃には布団に入っていた。
(あの人には連絡できないけど、なんとなくどこかで見ていると思う。
昔からそうだったな、、 自分が辛い時でもいつも見てくれて助けてくれた。
それにもっと甘えることがカッコ悪いと思っていた。)


眠りが浅くて、深夜に足が痛くて何度か起きた。
起きても夢の中のような、何かが昨日とは違う感じ。

足が思う様に動かない、ゆっくり起き上がって立てることを確認する。

立てるから大丈夫。

ゆっくりだけど歩けるから大丈夫。

完走できたから大丈夫。

この痛みもいつかなくなって普通に歩けるようになるはず。
痛みは忘れてしまうかもしれないけど、走りきったことは忘れない。
また、いつか挑戦すると思う。
そしたらもっと上手に走れるはず。

いろんなことに挑戦していきたいと思いました。



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今回のタイムは

グロスタイム 4時間51分43秒 (号砲からゴール)
ネットタイム 4時間46分38秒(スタートラインを超えてからゴール)

でした。
5時間切れたよ!
あの時のおじさんありがとう!
靴を教えてくれた店員さんありがとう!
「がんばれ」の声援が身体の芯から力になりましたありがとう!
ゴールした時にかけていただいたタオルが暖かかったですありがとう!
いただいたバナナとクリームパンが美味しかったですありがとう!
「お疲れ様でした」の声が優しくて幸せな気持ちになりましたありがとう!

初めてのフルマラソンは、ボランティアの方々と地域の方々の優しさに支えていただいたと感じました。
本当にありがとうございました!!!!