【秋宵】

存在感消えそうな夜は
誰かの夢を泳いでるみたいで
憂鬱さに輝く星達を
君に気付かれずそっと飲み干した

簡単に錆付いた針は
未来を描くのも止めて
動いている人たちに残された
水面に写る月と歩いた

光彩色に選ばれた君に手を伸ばして
いつかはそこに行けるように心臓を握り締めた
まずは自分自身に負けないように耳を塞いで
明日を信じてみるんだ

絞り出した今日の応えは
誰そ彼に伸びる影みたいで
朝焼けと一緒に燃え尽きて
灰になって空に昇った

最果ての海から集めた
言葉を手放して
残り火が何か伝えようと
空の色を変えていく

春の風に流されて揺らゆらゆら飛んでゆく
夏の暑さに紛れて思い出したり忘れたりしてる
秋の夕闇が僕の夢を隠していても
冬の逆光に包まれ君は笑っている

季節に取り残された君の夢を歌ってみると
真っ白な光の中で君がいつも笑っている
いつか渡せるように君の欠片を集めて
迎えに来る日を待っている






10/30完成
元が出てきたのは10/17
“晩春” “朱夏” “冬雷” と作ってきて、四季四曲が揃いました。