“月の日”






「限られた時の中で、あと何度唄えるだろう。

季節が変わる前に、あと何度会えるだろう。

この夜が明ける前に、あと何度笑えるだろう。

この世界が終わる前に、あと何度君に会えるだろう。


 僕の歌を、唄っていた。
 唄っていた、君に届くように。
 君の歌を、唄っていた。
 唄っていた、忘れないように。


 街の中で唄っていた、途切れないように。
 いつもここで唄っていた、君に聴こえるように。


消えないように、壊れないように、ここで唄うよ。
君が挫けそうでも、負けそうでも、ここで唄うよ。
戻れなくても、届かなくても、忘れないように。
君を見失わないように、手を離さないように、ずっと唄うよ。
 唄い続けてゆく。」