コロナで演劇の稽古に変化が求められています。
今までなら身体に触れたり、
対面で声を出し合ったりするところを
避けねばならないことが、
演劇の稽古では非常に苦しいです![]()
その中で、いかに身体に触れずに、飛沫が飛ばないように
でも、みんなが共同で創作することの楽しさを
年長さんからアラフィフまでの参加者さんに
体験してもらいたいと思うので、
先日行った対面稽古では
当日、稽古場に行って参加者の様子を見てやることを決めました
脚本に書かれていないことをどう表現するか
今回私が対応するのは
脚本に書かれていないことをどう表現するか
セリフのある役や動きが決まっている場合はいいけど
セリフは無いけどそのシーンでは出番がある
といって、ぼーっと立っている訳にはいかない
キャラクターとしてそのシーンにどう居るか
これが非常に大事なのです
例えば、以前私が演じたキャラクターですが
チャールズ・ディケンズの「クリスマスキャロル」
主人公が過去を回想するシーン
若い頃にお世話になった職場で
クリスマスパーティーがある![]()
そこの主人は気前がいいので
当日は来たい人は誰でも招き入れる
そのため、ホームレスや低所得者が
ごちそう目当てでやってくる
シーンの目的はかつての職場の主人が
いかに気前よく人々をもてなし
そのおかげで周りがどんなに幸福になるか![]()
一方で主人公、お前は財力が有りながら
それを独り占めし分け与えない
それがどんなに不幸なことかを
主人公に知らしめること
私はそのシーンの低所得者役として
セリフは無いまま、ずっと出ている
更に、クリスマスパーティーのシーンだが
丁度足を故障していて皆と一緒に
踊ることも出来ない完全フリー状態
何もないところに何かあるを作り出す
そこで私は要所要所に消え物(飲食できるもの)を用意し
皆がダンスをしているところをかいくぐりながら
あっちでワインを飲み![]()
こっちでお菓子をつまむ![]()
会場に来ていた楽隊の指揮をとる![]()
そうして、同様にタイムスリップして
この会場に来てしまった主人公と
すんでの所ですれ違う
会場の人々には主人公が見えていないので
主人公は幽霊のように漂う一方で
私は実態を持った低所得者として
わざとダンスの輪を混乱させたりする![]()
最後、お開きになった時に
お菓子をこっそりエプロンに包むが
帰り際にうっかりつまずきバレてしまう![]()
それを見た職場の主人(パーティーの主催者)が
大声で私を呼び止め
皆息を止めて主人を見る![]()
すると、主人はにっこり笑い
「メリークリスマス」と言って
ワインのボトルを私に渡す![]()
私は大げさにお礼を言い
低所得者仲間とワイワイ言いながら去る![]()
こんな感じです
これは脚本に一切書かれていません
稽古場で作り上げたものです
役者は操り人形ではない
このようにしてシーンの目的に沿って芝居をすることで
厚みが出ます
登場するキャラクターの人間性や関係性に
深みが出ます
そして、それは
【主役にシーンの意図を伝えること】であり
【観客にメッセージを渡すこと】になります
特に大勢が出るシーンでは
演出家がすべてのキャラクターを把握することは
困難です
なので、役者自らが自分がどう振舞うのが良いのかを
客観的に判断し演じていく必要があります
演出家が
「右を向け」と言うから
「三歩下がって」と言うから
「そこで前を見て」と言うから
・・・
役者は操り人形ではなく
血の通った人間です
だからなぜその動きをするのかを問われます
その時に必要となるのが想像力です
想像力を培う
常々必要と痛感しているのが『想像力』と
それを『具現化できる表現力』です
特に校則や規律、常識に縛られて
勝手にこれはやってはいけない
と
自分でセーブしてしまうことがあります
子供たちも最近はセーブがかかっている子が
多い様に感じます
だからこそ、演劇でそれを取り払いたいと思っています
それがミュージカルを創り上げる上でも重要だし
何より、日常生活でとても必要な力だと
私は思っています
