涼宮ハルヒの消失
2010年 2位
総合 237位
あらすじ
クリスマスが間近に迫ったある冬の日。学校に向かったキョンはいつもの日常と違うことに気づく。
後ろの席にいるはずのハルヒがいない……。
さらに驚くべき事に、その席に座っていたのは、(『憂鬱』にて)キョンを殺そうとして長門に消滅させられたはずの朝倉だった!
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評価
・武本監督の言うように、私も消失は「決心と回帰」の物語だと思ってます。非日常か日常か。曖昧な立場から脱却を余儀なくされた選択を突きつけられたキョンが出した答えは、彼なりの最高の答えと言えると思います。それにプラスして、「俺はハルヒに会いたかった」のセリフも同じく重要。憂鬱でも溜息でもまだ「世界を変化させないために」という大義名分が後をついてまわっていますが、非日常―いわばハルヒを選んだことによって大義名分を綺麗に解消している。
・【良い点】原作に忠実ながらも状況に必要なシーン等は上手く改変されている。とても繊細に練られた脚本、演出、そして映像美と音楽。
・上映時間がだいぶ長いがそれを忘れさせるぐらいの魅力がこの作品には詰まっている。テレビシリーズの伏線とも連動しているので、数年前からこの映画を意識して綿密に作られたものと読み取れる。この京アニが積み重ねてきた『計画的な戦略』の積み木の頂点が見れることだろう。もうすぐDVDが発売するので、視聴することを全力で薦める。
・この作品は面白い。おそらく話の流れが人を引き込むものを持っているのだと思う。改めて冷静に終わった後考えてみると、長門が演技をして、嘘をついていても成立する可能性がつきまとう。皆がキョンを騙しているそれでも通じるお話。それぐらい時間軸をそこら中移動してるのに、絵的に変化が無いのだ。例外を上げると新聞の日付、これは見る側には見えない。大人ミクルの存在。本当に極少数のものだけで未来過去と感じさせて成立させている。このポイントはやはり先ほども書いたけど話の流れが見る側を物語に集中させ、引き込んでそうだと思い込ませる何かがあるから。奇妙な作品だ。
・原作の消失では薄い恋愛面も補強されていますね。ハルヒか長門か。原作では「ハルヒと長門どっちだよ」と若干思いましたが、きちんと区別されていたのがさらに好印象。古泉の「羨ましいですね」は憎いことやるなあ、と。
・【悪い点】長い。かなり密なのでカットしづらいのかもしれなかったけど、もう少し短くしても良かったのでは
・テレビシリーズを全て視聴し、原作の消失も既読の上で劇場に足を運んだ。期待しすぎて自らハードル上げてしまったが、その期待を裏切るどころか、それを遥かに凌駕する最高傑作だった。なんというか、小説の中身がそっくりそのまま映像化され、さらに美しい背景や感情表現豊かなキャラ達の作画も加わって良い味でてるといったところである。
・ハルヒシリーズは、結局最後は主人公が何とかしちゃうというパターンをいつも避けて主人公は頑張ってみるが解決できずに他人に助けてもらうというパターンばかりである。自分としては王道を避けたこういうやり方のほうが逆にスッキリしない。