F1から2週間遅れてIRL(インディー・レーシング・リーグ)が開幕した。
開幕の舞台は恒例のホームステッド・マイアミ・スピードウェイであったのだが開幕戦がナイトレースという史上初めての出来事となった。
レースは今シーズンもチーム・ペンスキーとチップ・ガナッシの一騎打ちとなることを予想される展開となった。
開幕戦を制覇したのは2005年のIRLチャンピオンであるダン・ウェルドン(チップ・ガナッシ)で開幕戦3連勝でチャンピオン奪回に幸先の良いスタートを切った。
2位にもスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が入りチップ・ガナッシはワン・ツーフィニュシュを決めている。
F1でのフェラーリチームのような位置づけであるチーム・ペンスキーは昨シーズンのチャンピオンであるサム・ホーニュシュJrがなんとか3位に入ることがやっとで開幕戦は完全にチップ・ガナッシのものとなった。
さて、ここで話題はレースからIRLが推し進めている様々なことについて。
IRLではすでに常識のように開催されているナイトレースをF1にも導入しようとFIA考えているらしい。
理由はマレーシアラウンドなどの暑さの厳しいレースを少しでもドライバーへの負担が少なくしようとすることと、F1の放映権をさらに巨大にするために最大の市場であるヨーロッパでの放映時間をゴールデンタイムに合わせるためということらしい。
利権ばかりを考える実にFIAの考えそうなことだと思うのだが、本当にナイトレースを導入しようと考えているのであればIRLの開幕戦にFIAはF1の関係者を一人でも派遣して視察させたのであろうか?
F1関係者がマイアミに存在したのならばFIAを多少は見直さねばならないだろうが、すでに導入されているカテゴリーを視察することなく自分達だけのエゴでFIAがナイトレースを導入しようとしているのならばそれは現在F1に参戦しているドライバー達の命を今以上に危険に晒すだけだろう。
もう一つF1がIRLに学ぶべきことは環境対策。
IRLは今年から100%エタノール燃料を使用して環境への配慮が最も行き届いているモータースポーツのカテゴリーへと成長した。
エタノールはトウモロコシから生成されるためにガソリンという化石燃料のように枯渇を心配する必要がないということ。
またエタノールも二酸化炭素を排出するのであるが、ガソリンが二酸化炭素を排出するだけに対してエタノールは原料であるトウモロコシの光合成と相殺されて相対的に地球上の二酸化炭素の量は増加しないということになり環境にやさしいというわけだ。
F1は世界最高のモータスポーツだと息巻いてふんぞり返るのは結構なことだが学ぶ時は潔く学ぶべきでだろう。