F1は先週の第11戦フランスGPでいよいよ後半戦のヨーロッパラウンドに突入した。


今シーズンのF1はこれまではルノーが7勝(アロンソ6勝、フィジケラ1勝)、フェラーリが4勝(シューマッハー4勝)と完全に2強体制になっている。


コンストラクターズ、ドライバーズどちらのチャンピオンシップでも上位はすべてルノーとフェラーリだ。



今シーズン開幕前はシーズン中に1勝はあげたいと新型マシン発表会で息巻いていたホンダ、トヨタの日本の両チームは完全に2強に水をあけられている状況だ。


不振の原因の責任をとる形で両チームともシーズン途中で組織再編を計っている。

が、その組織再編仕方が現在のホンダ、トヨタの力関係をあらわしているように感じられる。



まずはトヨタから。

トヨタは組織再編を図るにあたって大金をつぎ込んでルノーから呼び寄せたテクニカルディレクターであるマイク・ガスコインを迷うことなくチームから放出しドラスティックに組織の再編を計った。


結果的にシーズン序盤は全く振るわなかった成績がバージョンアップマシンのTF106B導入以降から徐々に上向いてきてアメリカGP、フランスGPともにルノー、フェラーリのすぐ後ろのポジションでフィニッシュできるまでに力は回復してきている。


さらに言えばトヨタはF1チームの拠点をドイツのケルンのみに絞っている点も組織的に改変がスムーズに行なわれたと考えられるだろう。


ラルフ・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリという2人のレギュラードライバーもモチベーションの高いコメントを出しており、優勝を目指して戦うぞとチームが一丸になっている姿勢が見て取れる。




では次にホンダ。

ホンダもチームの成績不振を理由にウイリアムズから呼び寄せたテクニカルディレクターであるジェフ・ウィリスのテクニカルディレクター職を変更している。


しかしここがホンダがトヨタと異なるところなのだがジェフ・ウィリスはテクニカルディレクター職を退いた後もチームに残留しているという点だ。

実際グランプリにやってくるチームの前線部隊にはジェフ・ウィリスの姿は見えないのだがチームのファクトリーのあるイギリスのブラックリーにて仕事を行ってるということだ。


しかしホンダのF1開発拠点はイギリスのブラックリーと日本の栃木に分かれて開発を行なっており、そこがトヨタと最も異なる点だと思うのだ。


ただでさえF1チームは多国籍な集団であるのに1つの拠点にチームスタッフを集めず、分散して働かせるというホンダの手法は意思疎通の面で大きなハンデになっていると考えられる。


ジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロの2人のレギュラードライバーのコメントもフラストレーションが溜まるというコメントばかりで前向きな発言はほとんど感じられない。


トヨタと正反対のチーム状況を良く現している。


ホンダは2週間後のドイツGPにてF1参戦300戦目のグランプリを迎えるだけにブラックリーに新たに完成した風洞が一刻も早く効果の出ることを期待したいものだ。