FIAは前シーズンのコンストラクターズランキング5位以下のチームに金曜日のフリー走行に認められているサードカーシステムを2007年からは廃止することを決定した。
これにより一部のチームから批判の出ているグランプリウイークでのデータ収集量の差が完全になくなることになるので競技としては公平になるということは良い点ということになるだろう。
しかし、F1のサードカーは決してチームのデータ収集のためだけに存在するわけではない。
これからF1のレギュラードライバーの座を獲得しようと狙っている若手ドライバーたちの練習の場でもあるのだ。
現在でさえ若手にはF1にデビューするためにチーム関係者にアピールするチャンスが少ないというのにサードカーの廃止によりますますアピールのチャンスは減ることになる。
サードカー廃止の決定はドライバーの移籍市場にも多少の影響を与えると思われる。
確実に影響がありそうなサードドライバーとしてはBMWのロバート・クピカとスーパーアグリF1の山本左近だろう。
2人ともチームの評価も高く来シーズンはレギュラードライバーに昇格するのではといわれているだけに今後の動向が注目されるところだ。
FIAとすればサードカーで走らせて若手を鍛えるよりもF1の完全な下位カテゴリーとして定着しつつあるGP2に有望な若手を集中させたいという思惑もあるのかもしれない。