大気圏突入した1機の宇宙船が進入角度を失敗し、山脈に衝突して墜落した。
すぐさま救難信号が出されるが、応答はない。
海抜から計算すると4000mを越える山々が東西に1000km以上連なる山脈の一部に擦る様に衝突、山脈の北側に墜落している。
当初の計画では、北緯10~20度辺りに進入する事によって、障害になる山が少ない予定だったが、大気圏突入時の進入角度が北に30度近くずれ、想定以上の重力による大気圏内の落下速度の上昇に、4000m級の山脈を回避出来なかったのである。
時遡ること、3/1000銀河年前…直径1500kmを超える宇宙船が太陽系の第7惑星軌道に到達していた。今回、救難信号を発した宇宙船はこの現在第7惑星軌道にいる宇宙船から事前に先行した宇宙船である。
先行した宇宙船は調査可能な惑星を探索する目的の為、4機出されている。α、β、γ、δと都合上機体の認識記号を付けさせてもらうが、αは第8、7惑星の探索、βが第6、5惑星、γが第6惑星の軌道上衛星、δが第4、3惑星を担当していた。第1、2惑星は、恒星からの距離が近いため、第3惑星の具合次第としたのである。
救難信号をいち早くキャッチしたのは、もっとも近くにいた第5惑星に接近中だったβ機だった。だが、ここで問題がある。βがδの救出に向かうのは良いが、実はβ機ではδ機を救出出来ない。δ機はもっとも遠い惑星の探索をする目的の為に4機の探査の宇宙船の中で最も大きい宇宙船で100人を超える乗組員が乗船していた。それに比べてβ機は、第5惑星が探査困難な惑星と事前調査で判明していた為に、機動力重視の小型の宇宙船で乗員10人程度という小型船であった。α機とγ機も調査対象の惑星が小さい為に小回りの利きやすい20人程度の小型宇宙船である。
また、δ機の墜落した状況から考えると、第3惑星の大気圏と重力の作用は、安易に考えてはいけないとも解る。
母船と云える超大型艦は、ワープ航法を使用可能だが、ワープ可能な距離に問題がある。おおよそ20~50光年の距離の時空を曲げショートカットする。短い距離では時空を曲げられない。そして、超大型艦であるがゆえに通常の移動速度は遅い…。
第3惑星に到達するのにかなりの月日を要する事になる…。
