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米国ビジネスレビュー

海外のビジネス系新聞記事のご紹介と、その他雑感。

前回記事 の続きです。

前回は、映画配給会社の収益減少の影響は映画配給会社だけに留まるのか、という話でしたが、僕なりの結論から言うと、その影響はサプライチェーン全体にまで広がります。(ここでのサプライチェーンの定義としては、「一つの商品なりサービスを提供するための、リソースを生産・供給する仕組み全体、とでもしておきます。」)

映画の制作を例に取ると、(見辛くてすみません)
                                 
                                    →→→②シアター
④脚本                           ↑
⑤俳優       →→→ 撮影(映画配給会社) →→→ ③PR(広告代理店・メディア)
⑥映像効果、等                          ↓
                                    →→→①DVD・ビデオ販売、レンタル


少し簡略化して書きましたが、こんな具合です。
このチェーンの中のどの部分で変化が起こったとしても、チェーン全体に変化をもたらします。


今回のDVDのネット配信・販売価格の低下であれば、【()内には例を示します。】

① 小売店(ウォルマート、ターゲット)の売上低下、レンタル店(ブロックバスター、ネットフリックス)の売上低下
② シアター(ダグラス)の売上低下
③ 映画配給会社の収益低下により、広告宣伝費予算の減少の可能性。しかし、効果は未知数。
④⑤⑥ 映画配給会社の収益低下により、映画制作予算の減少の可能性。しかし、効果は未知数。


③~⑥を、効果は未知数、と書いたのは、無理してでも予算を突っ込んでくる可能性があるからです。しかし、長期的にはやはりネガティブな影響があるはずです。


このように、一つの事象は、連鎖となって、関連する事項全てに影響を与えます。
たとえそれ単体で見て、完璧に見えるビジネスモデルがあったところで、外部要因によってマイナスの影響を受けることは多々あります。

企業に投資する際は、そのような影響にも注意しなくてはいけません。
有価証券報告書は、企業が年に一度投資家に対し、経営陣・従業員一同の戦略・意思・哲学を説明する、もっとも重要なコミュニケーションツールだと認識しています。

ただ、そのような重要な書類の中にも残念ながら「嘘」が含まれている場合があります。

しかし、その大部分は投資家自身で見つけられるはずです。
実際にエクセルシート、またはノートでもいいのですが、財務諸表等の数字を書き出して色々計算してみてください。
企業側の主張と食い違っている場合があるはずです。

財務諸表の数字、今期業績の報告書、に加えてIRへのヒアリング。
これだけすれば、信頼できる会社か否か、見分けられると思います。


最近、そのような会社を見るケースが多くなり、思わずコメントしてしまいました。
次回投稿は前回の記事の続きを書きます。

少し前の記事ですが、アップルコンピュータ社とディズニー社が共同で映画のネット配信事業を開始しています。(日本でのサービス開始は来年頃だと思われます。)
ネット配信自体は以前から他社も行っていましたが、価格はDVD小売価格とほぼ同等、さらに配信可能な映画数もかなり少なく利用者数はそんなに伸びていなかったようです。

今回、アップルは旧作を9.99ドル、期間限定で12.99ドル、通常の販売価格を14.99ドルと大幅に安くするようです。

現在、スーパーなどでのDVD小売価格が20ドル前後(映画配給会社からの卸値は約18ドル)ですので、ダウンロード配信会社(この場合は、アップルコンピュータ)への卸値が分からないのでなんともいえないのですが、小売価格から推計するに、映画配給会社にとってもDVD販売収益は25%減少してしまうでしょう。

現在のところ、販売開始一週間で売上100万ドル達成。
初年度で5000万ドルの売上を見込んでいるそうです。


さて、この現象は映画配給会社にとってどういう意味をもつのでしょうか。

まず、違法DVDが増える可能性があります。
既に、配給会社はダウンロードした映画のDVDへの焼付けを許可しています。


また、販売の主導権が映画配給会社になくなる、ということもあります。
以前なら、自社でDVDを製造し、小売店に対しても大きな力を発揮できました。(卸値が小売値より高いこともあったとか。)
ネット配信で、販売のプラットフォームがアップルに移ってしまえば、価格交渉力が弱まります。そこに置いてもらう為、卸値の値引きにも耐えなくてはいけません。

すなわち、有力な販売会社はアップル1社しかありません。(厳密には他にもありますが、アップルとは比較にならないほど弱小です。さらに、すでにI-tunesという絶対的な販売ツールがあり、ジョブズ氏がディズニーの大株主であり、戦略的パートナーとなっていることからも絶対的優位にあります。)

しかし、映画配給会社はいくらでもあります。
さらに、DVD販売は映画館での放映以上の収益源でもあり、次回作のプロモーション機会でもあることから多少マージンが減ってもどうしても販売数を増やしたいのです。

強力なコンテンツをもつ会社ですら、例外ではありません。
それは、音楽業界で起こったことが証明しています。


さて、この影響は映画配給会社単体に留まるでしょうか?
次回、もうちょっと掘り下げて書いてみたいと思います。
ついに米DOW平均が新高値を付けました。
ただ、市場自体は非常に悲観的な空気です。
最近のニュースの中から、株式市場以外の状況を整理してみると、

不動産
・流動性の低下。(買い手が少なくなっている。)
・8月の住宅販売数は上昇。(ただし、7月は下方修正。)←これも契約数であって、決定値ではありません。
・来年は販売価格が減少する予想。(1930年代の大不況以来初めて)

石油
・1バレル$59まで下落
・石油価格下落で、消費活性化に期待。

金利
・金利引き上げを含みながらも、しばし停滞。
・石油価格下落を受けて、消費が活性化すれば金利上昇か。もしくは、将来の価格上昇を見込んで消費者が消費を控えるという気配が見えれば、金利下落もあり得る。


と、どちらかといえば悲観的要素が多いように見えます。
最近は好材料のように思えるニュースが出てきても、新聞は非常に悲観的な反応。


どちらにしろ、新高値は少し気をつけたほうがいいですね。
2000年1月の新高値$11722を付けた後に急落が始まり、2002年10月には$7286までいってますからね。


個別に言えば、まだ買える水準にある株は残っていると思います。

ウォールストリートジャーナルからの速報です。
天然ガストレードによる巨額の損失が明らかになった、アマランス・アドバイザーズの事業清算がほぼ決定的になりました。

ではヘッジファンドの時代は終わったのか、といわれるとそんなことはありません。
以前の記事にも書いたように、アマランスと同時期に天然ガスで利益を出しているファンドも多く、当分はファンドへの資金流入は止まりそうにありません。

これには、米国の金利が歴史的に見ても低い水準にあるという点やオイルマネーの流入(石油価格は下落していますが、それでも1バレル=$60では石油利権保持者には大量の利益が出ます。)など、資金の調達が容易であるということが主な要因といえます。

言うまでもなく、資産運用にとってもっとも重要なのは、どれだけ低い資本コストで資金を調達できるか、です。(これには表面上に表れる金利、と表れない投資家の期待収益率の双方が含まれます。)

その意味で現状の市場状況は、ヘッジファンドにとって確かにめぐまれたものといえるでしょう。

ただそれに反して、市況に関するアメリカ内のムードは段々悲観的になっていっているような気がします。
特に、メディアの報道にそういう見方が反映されているように思うのですが、続きはまた後日。
少し前のUSATODAYの記事に「空港ビジネス」について書いたものがあった。そもそも(アメリカでは)空港管理会社が航空会社と別経営だったということを知らなかったんですが、考えてみれば当たり前のことですよね。空港はどの航空会社も平等に取り扱わなくてはいけないわけですから。

その記事は、空港は航空会社依存から抜け出そうと努力している、というものでした。航空会社からは、「ターミナル賃貸料」と「滑走路使用料」を徴収しているようだが、今ではその2つを合わせても全体の収入の40%以下にしかならないらしいです。他には、「飲食店収入」、「テナント収入」、「駐車場収入」、「レンタカー収入」等、まあ月並みな収入でだいたい40%程度。残りは、土地によってもまちまちです。

例えば、空港の余分な土地(空港の一定半径以内には建物は建てられませんが、その外側でまだ余っている部分)を農業用に貸し出す、というビジネスがあります。 まあ、飛行機の音に驚いて、鳥も寄って来ないでしょうから、ある意味いいのかもしれませんが・・・。 他には、貸しオフィス、があります。これは空港施設の近くに、というのもあるかもしれませんが、おそらく空港施設内のセキリティチェックをくぐる前の部分(つまり、エントランスからセキリティ内に入るまでの間、ということですが)にも造っているのでしょう。グーグルなども借りている、という話です。

あとは、空港コンサルティング、でしょうか。
発展途上国の空港建設・空間設計のコンサルティングも手がけているそうです。


さて、ここまでやれば、確かに空港の持っている、「広大な土地」という資産と「多くの人が往来する」という資産は有効に活用できていると思います。

ただ、空港の持つ価値はそれだけなのか、という気もします。

例えば、空港は「時間を消費する場所」でもあります。また、「(比較的)富裕な人が多い」、「(普段より)精神的に消費意欲が高い」、可能性が高いわけです。


となれば、普通の街にもある、時間消費型の施設を置くのもいいかもしれません。(効率よくしたければ、時間・スペース当たり消費単価の大きいものがいいですね。)

・カジノ、パチンコなどのギャンブル施設
・漫画、ネット喫茶(値段は通常の5倍以上取れるでしょう)
・ビジネス用インターネットスペース(ネット喫茶とは分けること)

などでしょうか。
これらは、セキリティチェックの内側に置くことによって、健全性も保たれます。(世界一安全なカジノになるかも?)


他には、家電量販店、などもありかもしれません。空港の利用目的としてビジネスユースが多いこと、また男性向け時間消費施設が空港内に少ないこと、を考えると。


あとは、雑誌を無料配布する代わりに、宣伝費をもらう、とかどうでしょうか。
例えば、「日経ビジネス」を無料配布します。空港内では、時間が余っているため普段は読まない人の中にも読んでみようという人はいるはずです。

雑誌会社にとってのメリットは、
・空港にいるビジネス志向の強い人にも配布していることを強調し、クライアントに広告費の引き上げを要求できる。
・普段「日経ビジネス」を読まなかった人が、たまには雑誌を購入するようになる。

無料の「日経ビジネス」を手に入れるために、わざわざ空港に入る人もいないでしょうから、購買者が極端に減るというリスクもありません。(もしかなり頻繁に空港を利用する人がいれば、その人たちは買わなくなるかもしれませんがその影響はプラスを打ち消すほどではないでしょう。)


などなど。

他には、「外界から隔離されている」、という点も空港の資産といえるかもしれません。
これ以上は書きませんが。(笑)

これはテスト用の少し古い記事です。

念のため。


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2日前、アマランス・アドバイザーズによる巨額の損失が明らかになりました。その時点での損失額は、30億ドル。LTCM以来の規模ということです。今日になって、損失は上方修正され、なんと50億ドルに達した、と報告されています。95億ドルといわれる、運用額全体の半分以上を失ったことになります。

この損失を出したポジションは、JPモルガン他の投資団に引き取られることとなりましたが、これだけの損失を出しながら、ファンド自体は継続するようです。通常のファンドは、運用額全体の40%以上を失った場合クローズするようですが・・・。

     
さて、多くのニュースでは損失を出したアマランスばかりがニュースになりますが(そういう意味では、アメリカにも多少は成功者を妬むところがあるのでしょうか?)、実は今回の天然ガスのトレードでは儲けているファンドの方が多いのです。例えば、エネルギーカタリストファンド、というファンドのマネージャーは、「今回の下落相場は簡単に予測できたはずだ」と語っています。
     
アマランスは、去年同様のトレードで10億ドル、今年の8月までは約20億ドル以上儲けていました。そのため、このトレードへの傾倒が進み、ほとんどヘッジ抜きにロングポジション(買いポジション)を取っていたのではないかと言われています。一度成功したトレードに固執してしまったんですね。(mental setというそうですが。)

アメリカは今、空前のヘッジファンドブーム・不動産ブーム・PEファンドブーム・株高です。貯蓄率もマイナスに達していますが、段々金利が上昇し、それとは逆行するように収益機会は減少しているように見えます。いつ”崩壊”するかはわかりませんが、終わりは必ずきます。