少し前の記事ですが、アップルコンピュータ社とディズニー社が共同で映画のネット配信事業を開始しています。(日本でのサービス開始は来年頃だと思われます。)
ネット配信自体は以前から他社も行っていましたが、価格はDVD小売価格とほぼ同等、さらに配信可能な映画数もかなり少なく利用者数はそんなに伸びていなかったようです。
今回、アップルは旧作を9.99ドル、期間限定で12.99ドル、通常の販売価格を14.99ドルと大幅に安くするようです。
現在、スーパーなどでのDVD小売価格が20ドル前後(映画配給会社からの卸値は約18ドル)ですので、ダウンロード配信会社(この場合は、アップルコンピュータ)への卸値が分からないのでなんともいえないのですが、小売価格から推計するに、映画配給会社にとってもDVD販売収益は25%減少してしまうでしょう。
現在のところ、販売開始一週間で売上100万ドル達成。
初年度で5000万ドルの売上を見込んでいるそうです。
さて、この現象は映画配給会社にとってどういう意味をもつのでしょうか。
まず、違法DVDが増える可能性があります。
既に、配給会社はダウンロードした映画のDVDへの焼付けを許可しています。
また、販売の主導権が映画配給会社になくなる、ということもあります。
以前なら、自社でDVDを製造し、小売店に対しても大きな力を発揮できました。(卸値が小売値より高いこともあったとか。)
ネット配信で、販売のプラットフォームがアップルに移ってしまえば、価格交渉力が弱まります。そこに置いてもらう為、卸値の値引きにも耐えなくてはいけません。
すなわち、有力な販売会社はアップル1社しかありません。(厳密には他にもありますが、アップルとは比較にならないほど弱小です。さらに、すでにI-tunesという絶対的な販売ツールがあり、ジョブズ氏がディズニーの大株主であり、戦略的パートナーとなっていることからも絶対的優位にあります。)
しかし、映画配給会社はいくらでもあります。
さらに、DVD販売は映画館での放映以上の収益源でもあり、次回作のプロモーション機会でもあることから多少マージンが減ってもどうしても販売数を増やしたいのです。
強力なコンテンツをもつ会社ですら、例外ではありません。
それは、音楽業界で起こったことが証明しています。
さて、この影響は映画配給会社単体に留まるでしょうか?
次回、もうちょっと掘り下げて書いてみたいと思います。