観戦記 フリオ・セサール・チャベス・ジュニアvsドミニク・ブリッチ | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:チャベスJr判定勝利

 

*しっかり練習し、しっかりとボクシングは磨かれている

 

 

伝説の続きフリオ・セサール・チャベスJrとドイツを主戦場とするローカル選手ドミニク・ブリッチが争う169lbs契約10回戦。

 

チャベスJr、骨格はデカイが細身だったM級時代と比べ腕肩体幹、上半身が逞しくバルクアップ。動作能力も明確に向上していると思う。
試合序盤に見せた幅広スタンスの3Dボクシングはスベったが中盤以降に見せたファイタースタイルはGood。もちろん、相手との体格差、パワー差はあるがステップとスリップ、ボビングの連動、スタンスの切り替えは滑らかで自堕落に思われがちなキャラクターとは裏腹に良く練習しているのが分かる。(少なくとも現在は)

 

ジグザグ刻むステップで接近、左を軽く突き出し右で肩を入れ替え、作ったタメを活かし左の返しを打ち込む。撫でるような左右から左のパワーショット、ダブル、トリプルと繋ぐレガシーなファイタースタイルだが1,2の間にしっかり上下肢のスクエアを作り、頭を逃し相対的なバランスの利を作り確証を持って打ち込んでいる。かと思えば相手の体勢を見て素早く前足を外しステップアウト、右フックを肩越しにガンガン連打。う~む鮮やか。

 

ウェイトオーバー、スキャンダルに過剰に反応。うるさく、しつこく、陰湿な性根の日本のボクシングファンからの評価は低く嫌われているが実力実績あり、試合から離れ、キャリアも停滞しながらもしっかりと向上しているように見える。

 

vsGGG、仮に168lbs契約で実現し、計量175lbs、当日190lbsで臨むなら十分チャンスはあると考える。