観戦記 ミラン・メリンドvsファーラン・サックリン・ジュニア | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:メリンド判定勝利

 

*生え際も随分と後退してしまった印象。

 

無冠の帝王ミラン・メリンドファーラン・サックリンjrが争うIBFライトフライ級暫定王座決定戦。

サックリンjrのシャープなパンチを掻い潜りワンサイドの判定で王座戴冠に成功したメリンド。相変わらずの締まったボクシング。そしてスピードが光る。

この選手、パンチはショートでコンパクトに打ちディフェンスムーブもブロック、スリップ、ウィービングと総合的に力がある。状況に応じてこれらムーブを駆使し複合的に守り各動作は最小限の動きに留めている。フットワークも跳ね足や移動のサークルも使わず細かいポジショニングと前後のステップ中心。

 

地味で見栄えしない、若干縮こまり過ぎな感も否めないがその中でも瞬間的に発揮する瞬発力、淀みなく各動作を繋ぐクイックネスがある。

オフェンスでは左を刺し合いながらカウンター、ビッグパンチを当てれば猛追。ディフェンスでは細かいパンチは堅実に守り、大きいパンチはしっかり外して転身。立ち回りも本当に教科書的。

 

しかし食う、詰めきれない。もう一歩が足りない。スケールの大きなエストラダやメンドーサには歯が立たなかった。
万人向けに書かれた教科書をなぞっても、これが限界なのかもしれない。

 

p.s.

年末vs八重樫?十分チャンス有るでしょう。ってメチャクチャなスケジュール…