長期のスタンスにおいて、株式インデックスで運用することは何を意味するのでしょうか?


 基本的には、長期的に見て、その国(あるいは世界の)名目GDPが増加すれば、その株式インデックスは上昇し、名目GDPが減少すれば、株式インデックスは下落します。


例えば、日本ではバブルの崩壊以降、ほとんど名目GDPは成長していません(実質GDPではプラスだったようですが)。

従って、日経平均株価やTOPIXといった株価指数は低迷しています。


一方、アメリカを見てみると、今回の金融危機でつまづきはしましたが、これまで持続的に名目GDPが成長してきたので、株価も長期的に上昇し続けました。


 つまり、株式インデックスを買うということは、その国の経済成長を買うということに外なりません。


IMF (国際通貨基金)のホームページを見れば、世界各国の実質GDP(物価変動を除いたGDP)の過去の実績と将来の予想が見れます。


これを見ると、世界全体では、今回の金融危機と過去の一時期を除いてほとんどの期間がプラスになっています。

(物価も上昇していたので名目GDPでももちろんプラスです。ちなみになぜ名目GDPに注目しなければいけないのかは別途)。


これまでの株式のリターンの高さを考えると、今回のような金融危機の可能性があるからといって、運用をゼロにするというのは行き過ぎでしょう。


ただし、過去のリターンの高さは、将来のリターンの高さを保証するものではない、ということも肝に銘じておいたほうがよいでしょう。


また、株式インデックスを持つ際には、一国のインデックスを集中して持つよりはなるべく世界各国に分散するほうがいいでしょう。

バブル後の日本のように株価が長期低迷や、政変、戦争、天災などのカントリーリスクを抑えるためです。


最近ではMSCIコクサイなどのインデックスで世界の国々に投資できる投資信託もあるので、それらを利用すると良いでしょう。


投資や資産運用は、突き詰めていくと確率の問題となります。

高いリターンを求めれば、過去高いリターンを実現してきた株式の組み入れ比率を多くする必要があり、そうするとリスクも高まり、今回のような金融危機で資産を減らしてしまう可能性も高くなります。


資産クラスの組み合わせ方については、また別の機会に。