近年、建築のアイデアコンペで不思議なものが増えてきているという。
台所のある部屋と子供部屋が独立していたり、風呂場だけが一箇所にあつまった集合住宅...
藤森照信はこれらをまとめて「分離派」と呼ぶ。

外部にあった機能を内包し、より機能的にしていくモダニズム思想に基づいたこれまでの流れとは反転して、都市に家が分散していくような、そういったアイデアが多くなってきたらしい。
これを実際に作ったのが「森山邸」。風呂場だけが独立してガラス張りの箱の中にあり、風呂にはいるためには家の外に出なければならない。家の窓も非常に大きく、生活が外から丸見えで、プライバシーもへったくれもないこの家だが、周辺は狭い路地に囲まれた下町情緒を残すところなので、みえても聞こえても見向きもしない、当たり前の場所らしい。
 アフリカの集落のような原始的な空間構成に反転した「分離派」。都市と生活空間が混在した、古くて新しい空間。


参考文献
住宅の射程/磯崎 新

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