神社というのは、大抵町から少しはずれた山の縁にあり、鳥居をくぐると、さらに長い参道が続いて、奥へ奥へと誘導される。ここに日本文化のもつ「奥の思想」があるとされる。
水平方向の深さを生み出すことで、神聖な雰囲気を生み出し、現実世界との隔たり感を演出する。
多層の境界を通過してくことで、徐々により深い核心へと向い、聖域性を高める。
さらに神社のご神体は、本殿の中に安置され、普段人々が参拝する拝殿からは直接見ることができない。
そこは絶対不可侵の領域。

開発によって参道を失い、境内の森を失い、丸裸の状態の都市部の神社が、建物は田舎と同じでも、なにかそっけない、神聖さを感じられないのは、やはりそれを演出するために必要であった周辺環境を失ったからであろう。

参考図書:景観用語事典/景観デザイン研究会

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