『焼き菓子』

数層にも及ぶ 笑顔のフィルターが
小麦のような感情をさらさらにろ過し続け
顔の筋肉が何の感覚に対して働いているのか
分からない

性能の良い笑顔のフィルムが
どこかに売っていませんか?と聞かれたので
コンビニにあるかもしれませんと答えてしまう

簡単に手に入るものが増えるほど

右手は左手に、右足は左足に嫉妬する。

もつれた足で私は、段差もないのに勝手に転ぶ。
平坦な道なのに歩けない。

脳で丁寧に焼き上げられた思考
口の中にあるペースト状の甘味料で美しく塗られた後に
口から出荷される

三時のオヤツのように