最近、先取りと称して数学をやらせて中学受験に備えると宣う塾があります。
同業のものとしては、授業料欲しさに受験生の貴重な時間と希望を削る悪質な行為だと認識しています。
以下のような問題を解くのに本当に数学が必要なのか、考えてみてください。
問題
2ケタの整数Aがあり,これに1ケタの整数Xを足していきます。Xを足すのを6回繰り返したところ,1回足すごとに十の位が1つずつ増えていきました。
⑴ 1ケタの整数Xとして考えられるものをすべて答えなさい。
⑵ 2ケタの整数Aとして考えられるものをすべて答えなさい。
2ケタの整数Bがあり,これに1ケタの整数Yをかけていきます。Yをかけるのを4回繰り返したところ,1回かけるごとにケタが1つずつ増えていきました。
⑴ 整数Yとして考えられるものをすべて答えなさい。
⑵ 2ケタの整数Bとして考えられる最も小さいものを答えなさい。
解説
Xを6回足すと、毎回十の位が増えますので、50以上大きくなることが分かります。
このとき、Xの6倍が50以上となるようなXは9しかありません。
⑴ 9
整数Aは99-6×9=45以下となります。
また、1の位は1回足すごとに1ずつ減りますので、十の位が増え続けるためには、6以上でなければなりません。
そうすると、求める数は以下の通りです。
A=16、17、18、19、26、27、28、29、36、37、38、39
⑵ 16 17 18 19 26 27 28 29 36 37 38 39
4回かけると4桁増えて2+4=6桁になりますので、1000≦Y×Y×Y×Y<10000になります。
このとき、Y=6、7、8、9
⑶ 6 7 8 9
Yが大きいほどBは小さくなります。
Y=9のとき、B≧100000÷(9×9×9×9)=15.2415…
そうすると、2ケタの整数Bとして考えられる最小の数は16とわかります。
⑷ 16