因数分解がわかれば、数式として数列を確かめられますが、今回は実験で見ていきます。
問題
図のように2つの円があります。はじめ,大きい円の半径は5cm,小さい円の半径は4cmで,1秒ごとにそれぞれが1cmずつ大きくなっていきます。ただし,小さい円は,つねに大きい円の内側にあります。
つまり,2つの円の半径は,1秒後は6cmと5cm,2秒後は7cmと6cm,…になります。
図で斜線をつけた,2つの円のあいだの部分について,次の問いに答えなさい。
⑴ 5秒後における,2つの円のあいだの部分の面積を求めなさい。
⑵ 2つの円のあいだの部分の面積が,はじめて2021㎠をこえるのは何秒後ですか。整数で答えなさい。
⑶ ある時刻における,2つの円のあいだの部分の面積をS㎠,
その1秒後における,2つの円のあいだの部分の面積をT㎠とします。
T÷Sの値が,はじめて1.02より小さくなるような「ある時刻」は何秒後ですか。整数で答えなさい。
解説
{(5+5)×(5+5)-(4+5)×(4+5)}×3.14=19×3.14=59.66㎠
⑴ 59.66㎠
上式をもとに時間による面積の差を見ます。
時間 |
大×大 |
小×小 |
斜線部の面積 (大×大-小×小)×3.14 |
5×5 |
4×4 |
9×3.14 |
|
1 |
6×6 |
5×5 |
11×3.14 |
2 |
7×7 |
6×6 |
13×3.14 |
3 |
8×8 |
7×7 |
15×3.14 |
4 |
9×9 |
8×8 |
17×3.14 |
5 |
10×10 |
9×9 |
19×3.14 |
上表より、差は2×3.14ずつ増えていることがわかります。
そうすると、2021㎠になるには2021÷3.14=643.6…よって、求める答えは(643-9)÷2+1=318秒後
⑵ 318秒後
Sの大×大-小×小=nとすると、Tの大×大-小×小はn+2となります。
T/S<1.02となるとき、n+2/n<1.02=51/50となります。
このときn+2<n×51/50
50×(n+2)<n×51
n×50+100<n×51
100<n
よって、n=101とわかります。
求める時間は(101-9)÷2=46秒後となります。
⑶ 46秒後