化学火災(桐朋中 2019①) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

本日はマグネシウムの燃焼の消火についての記述問題を扱います。

見かけは難しそうですが、そもそも、燃焼するものはどのような条件で燃焼するのか、ということが理解できているかを問われる問題です。習っている人たちには、材料はある問題ですので、考える頭を鍛えるためにも取り組んでみてください。

 

問題

マグネシウムという金属を扱う工場で火災が発生したときに、消火のために放水し、逆に爆発的に炎上するという事故がありました。この場合、どのように消火すべきでしたか。用いるものの名前を具体的に記すとともに、消火できる理由を、以下の書き方の例にならって答えなさい。ただし、消火器以外のものを用いることとします。

 

例 水を使って、発火点以下の温度に下げる。

 

 

解説

火を消すためには、燃焼の3条件の打消しを行います。燃焼の3条件とは①燃焼するものがあること、②燃焼するものが発火点以上の温度にあること、③酸素があること、でした。

①、②について、工場という大掛かりな場所での火災になりますので、燃焼するものの取り出し、全体の冷却は困難であると考えられます。そうすると、③について考えます。

燃焼するマグネシウムと酸素がふれあわないようにするためには、マグネシウムに砂などをかけて、酸素とマグネシウムの間に砂があるようにするのがよさそうです。ですので、解答例は以下のように考えられます。

 

解答例

砂などの不燃性の細かい物質を使って、マグネシウムへの酸素の供給を防ぐことで消火することができる。