本日は、エンジンが故障するタイプの流水算を扱います。
上りで故障した場合、船は下流に流されてしまうのですが、これが難しい、というのをよく聞きます。
予習シリーズにも説明はあるのですが、問題の性質上、仕方ない話ではありますが、図も込み入っているうえに少し読みづらいところで、習得に苦戦する人が少なくありません。
とりあえず解説を作ってみましたが、基本は図を見て、文章は必要に応じて読むくらいが分かりやすいと思います。
典型的な問題で、作成者の秀逸な数字の設定のおかげで、複雑な数字もありませんので、基本の一題として取り組んでみてください。
問題
ある船が,川の下流のP地から上流のQ地に行きました。はじめ,静水上の速さを分速300mにして進みましたが,途中で船のエンジンが4分間止まったので,下流に240m流されました。再びエンジンが動いてからは,静水上での速さを分速360mにして進んだところ,はじめの速さで進み続けた場合と同じ時間でQ地に着くことができました。
⑴ 川の流れる速さは分速何mですか。
⑵ エンジンが止まったのは,Q地まであと何mのところですか。
⑶ この船が,静水上の速さを分速300mにしてQ地からP地に戻ったところ,行きにかかった時間よりも9分短い時間でP地に着きました。
P地からQ地までの道のりは何mですか。
解説
まず、4分で240m流されたのですから、川の流速は240÷4=60mとわかります。
⑴ 分速60m
まず、エンジンが故障しないまま進み続ける場合との違いを考えます。
エンジンがもし故障していなければ、エンジンが再び動き出す4分の間に240×4=960m進むはずです。また、それは、エンジン後故障して流された時よりも240+960=1200mだけQ地に近づいています。
1200mの差にもかかわらず、静水上の速さを分速360mにすると、分速300mのときと同じ時間にQ地に到着します。このとき、速さの比は300-60:360-60=4:5になりますから、進む道のりの比も4:5、そして差の比の1は1200mとわかりますので、エンジンが故障してから4分のとき、Q地から1200×5=6000mの位置にいることが分かります。
よって、エンジンが故障したとき、Q地から6000-240=5760mの位置にいることになります。
この説明につき、ダイヤグラムで表すと、以下の通りです。
⑵ 5760m
上りと下りの速さの比は、300-60:300+60=2:3となります。
そうすると、時間の比は3:2で、比の差1が9分にあたるので、下りに9×2=18分かかるとわかります。
よって、PQ間の道のりは360×18=6480mとなります。
⑶ 6480m