本日は、比と倍数についての問題を扱います。
比があることで、比であらわされているものの合計の約数が分かる、ということが今回の問題のポイントになります。比と実数は分けて考える、というのが受験算数においては必須のことですが、時に、比があることが実数を求めるヒントになることを知っておくといろいろ便利です。
問題
AとBの2種類のミカンがあり,1個当たりAが60円で,Bが50円です。また,同じ個数のミカンが入る2つの箱ア,イがあります。箱アにはAとBの個数の比が5:4となるように,箱イにはAとBの個数の比が5:7となるように,同じ個数のミカンをつめました。2つの箱につめたミカンの合計金額を比べると,100円の差がありました。このとき,次の問いに答えなさい。
⑴ |
次の□にあてはまる数を答えなさい。また(多い・少ない)は当てはまる方を○で囲みなさい。
箱アのAのミカンの個数は,箱イのAのミカンの個数より□個(多い・少ない)。
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⑵ |
箱アにつめたミカンの合計金額を答えなさい。 |
解説
箱アのミカンの個数はAとBの個数の比が5:4ということですので、箱の中のミカンの数は5+4=9の倍数個となります。同様に、箱イの中のミカンの数は5+7=12の倍数個とわかります。
箱ア、箱イの中のミカンの数は同じことから、2つの箱のミカンの数は9と12の公倍数、つまり36の倍数となります。
箱ア、箱イのミカンの数が36個のとき
箱ア:(60×5+50×4)×4=2000円
箱イ:(60×5+50×7)×3=1950円
箱アと箱イの値段の差:2000-1950=50円
そうすると、2つの箱の差が100円になるのは、36×2=72個のときとわかります。
このとき、箱アのなかのミカンAは5×8=40個、箱イの中のミカンAは5×6=30個となり、箱アの方が40-30=10個多いとわかります。
⑴ 10個
箱アの中身が72個とわかっていますので、⑴より2000×2=4000円
⑵ 4000円