能力を定義する | たぶん日本一わかりやすい 管理者のためのマネジメント基礎講座

能力を定義する

能力開発を考えるにあたっては言うまでもなく『能力』を定義することが必要です。能力を定義することで、いわば能力開発担当者としての仕事の範囲が決まってきます。唯一絶対の定義はないと思いますのでいろいろあって構わないのですが、定まっていない、あるいは、担当者によってころころ変わるのでは、能力開発はうまくいきません。

私の定義はシンプルです。能力とは何か。それは行動です。なぜなら、能力とは成果をあげるために必要なものなのです。誰でも分かることですが、能書きだけ言っていても成果はあがりません。行動してこそ成果につながります。「分かっていたら動け、知っているなら発言しろ」と言うことです。

行動には量と質があります。行動の量に関係するものは意欲、やる気です。ですから、やる気や意欲も能力の要素と言えます。

行動の質とはなにか。これは少し難しいかも知れませんが、成果をあげる人の行動における共通点を探せばわかります。仕事に限らず、遊びでも、スポーツでもいいのですが、物事をうまくやる人は必ずその人なりの手順を必ず持っています。

例えば、囲碁には「定石」と言う手順があります。スポーツでは、たとえばゴルフのレッスンに行けば、先生は、スタンスの取り方を教え、ボールを置く位置を教え、テークバックの仕方を教え、フォロースルーの取り方を教えます。これらは、ボールを思ったところに飛ばすための手順です。「適当でいいよ」と言う先生はいません。

物事をうまくやるためには、当たり前ですが「行き当たりばったり、思いつき」で行動していてはいけないということです。良い手順を意識し、何度も何度も練習を積むことで、無駄な行動が省かれ、成果に必要な行動が行われるようになります。これによって、効果的な行動が効率的に出来るようになります。ですから、物事をうまくする人は、みんな手際がいいのです。仕事で言えば、良好な人間関係を構築するには手順があります。また、適切な意思決定を行うためにも手順があります。

人間関係に関わる行動手順を「ヒューマンスキル」、適切な判断を下す思考手順を「コンセプチャルスキル」と言います。