前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
会社の新規プロジェクトで飲食店を
出店する事になっていてその為の
準備に追われる毎日を
過ごしていました。
第189話:クリームコロッケ
本田承太郎は部下の前田と共に
あるお店の研修に行く事に
なりました。
そのお店は
名古屋にある創作料理のお店で
今回の研修ではお店のメニューを
ベンチマークする目的のものです。
今回訪れたのは
和洋折衷の創作料理で予約が
なかなか取れないと評判のお店で
創業20年の人気店でした。
中でもこのお店の「名物」
クリームコロッケは絶品で
一番の人気商品です。
前田
「今回は食べる目的ですよね?
私はもう楽しみで仕方無いんです」
本田
「食べる事が目的だけど
ちゃんと仕事してくれないと
困るぞ」
「解っています。
料理の内容をリサーチする事が
目的ですよね、任せて下さい」
前田は浮かれていたが
料理の研究が難しい事にこの後
思い知っていくのでした。
お店の予約はプロジェクトが
決まった当初から色々なお店を
調べていて探していたのですが
だいぶ遅れて予約が取れたので
研修がこの時期になったのでした。
早速お店に到着した二人は
お店の色々なメニューと共に
噂のクリームコロッケを注文し
料理を楽しみました。
お店は少し薄暗い雰囲気の
落ち着いた雰囲気で高級感のある
創作料理のお店です。
客層も割と年齢層が高く
夜の大人のデートに使えそうな
感じの雰囲気で良い空間作りが
出来ていました。
メニューの価格帯も比較的高く
本田のおおよその予測では
一人4000円~1万円という
少し高めの価格設定です。
前田
「このクリームコロッケ
めちゃくちゃ美味しいですね~!
シンプルだけどお洒落な見た目で
スーパーのコロッケとは
全然違います」
本田
「そうだな。
このメニューの味の秘密を
探ってみると良いかもしれないな」
「味わいはクリーミーだけど
トロミより風味が勝ってる感じで
濃くは無いけど旨みが強い
みたいな美味しさですね」
「中身は何が入っているのか
解るか?」
「全く解りません」
「普段料理とかしてるか?」
「いや~あんまりしてないんです」
「じゃあこれから研究していく内に
詳しくなっていこうか」
そう言うと本田は
ある驚きの行動を取ったのでした。
つづく