第152話:損益計算書の理解 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。


第152話:損益計算書の理解

倉持はモデル予算の1月売上を使って
PL表で予算を実際に組んでみる様に
全員に指示しました。

そして完成したPL表予算の数値を
代表で一つのグループから選び
説明を始めました。

まずは、予算ですが
季節指数で算出した1月の
モデル売上を入力します。

次に前月・前年売上は
あらかじめ決められた数値を
入力します。

PL1


その下の欄で期首棚卸額を入力
(今回は予め決められています)


PL2

社員給与は35万設定で人件費率を
売上の25%以内に抑える計画を
立てます。

PL3

つまり社員の固定給与以外で
アルバイト人件費や社員の
残業費などを調節し25%以内に
抑えなければなりません。

PL3

次に変動する主な経費を
それぞれ入力します。

実際の営業でもこの部分
「変動する経費」で利益を
どれだけ取れるか調整できます。


PL5

家賃やリース料は決められた額で
固定費や変動費の差し引きで
利益がいくらになるか計算します。


PL6

最後に人時売上高から
アルバイト労働時間を算出し
客単価を売上から割り出します。


倉持
「今回の損益計算書では利益が
66万7230円となりました。

お店によって違いもありますが
利益が取れる事が前提で
営業しなくてはいけません」

前田
「66万の利益って結構多く
無いんでしょうか?」

「いくらの利益が適正なのかは
後で検証するとして、

問題は予算で決められた
設定数値通りに営業できるか?
と言う事です。」

「その会社の適性人件費や
在庫を抱える金額が決まっている
と言う事なんですよね」

「予算を決めても
数値通りに人件費が抑えられず
利益が減ったり、

食材を無駄遣いしすぎて
原価率がオーバーしたりと
設定した適正数値を守る事が
お店を健全に運営している事に
なってくるのです」

「つまり、
適正数値を守れていないと
お店の管理者は
適正にお店を管理出来ていないと
判断されるんですよね?」

「そうです。
オーナーや上司が数値で見る
ポイントはこういう部分で
判断基準になってきますよね」

「まだこの時点ではなんとなくの
確認で構いません」

倉持は損益計算書というものが
どんなものか全員に教える為に
実際に触れさせてみました。

そしてこれから、
飲食店やお店を経営する準備、
従業員として働いている中で
自分でモデル数値を入力しながら
練習していくように指導されました。

最近のレジや専用でソフトを
作っているフランチャイズの
チェーン店などでは

こういった簡易的なものより
専門的なデータが見られるものが
多くありますが

実際の計算方法や理論が
解っていないと宝の持ち腐れ
だと
倉持は言います。

一般の個人経営のお店でも
簡単な帳票を理解してより
使いこなす事で成功したお店も
あるそうです。

そう言ってひとまず普段から
損益計算の理解深める事を
課題として与えられたのでした。

つづく