第118話:飲食店で把握しておくべき食中毒菌 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田たちは新事業の為に倉持部長から
リスクマネジメントの講義を受けて
いました。

第118話:飲食店で把握しておくべき食中毒菌

本田承太郎と部下の前田に倉持は、
食の安全において衛生管理が非常に
重要だと説明していました。

倉持
「飲食店を始めると言う事は、   
人の口に入る食品が人の命をも
左右する事実を認識する事です」



サービス業の心得として言える事


私たちの行うサービスでお客様が
もしも、

自分の家族だったら…
自分の恋人だったら…
自分の大事な人だったら…

そう考えて対応していれば
その責任の重さも理解できるし
重大な過失となる行為はとても
出来ないはずです。

人体の安全を守る意味でも絶対に
食中毒を起こしてはなりません。

飲食店で食中毒を起こしてしまうと
致命的なイメージダウンにもなり
お店の未来も計り知れない
ダメージとなります。

イメージダウンで済めばまだしも
保障や損失を考えると金銭的な
マイナス面も甚大な損失です。

何よりお客様に楽しい時間や
美味しい食事を提供して幸せに
なって貰い、

その対価として報酬を得るという
職業なので悲しい結末には決して
ならないようにして欲しいと
思います。

倉持
「それでは主な食中毒の種類を
説明していきます」


倉持は食中毒菌の分類をまとめた
表を本田と前田に見せて説明を
始めました。

食中毒菌

飲食店で把握しておくべき
食中毒菌は大きく三つに分類して
解り易く分けて考えます。

・細菌性食中毒
・ウイルス性食中毒菌
・化学性食中毒菌



【化学性食中毒菌】
化学性食中毒菌は更に二つに分類して
考えて行きます。

・人工化学毒
殺虫剤や貴金属、添加物など

・自然毒
フグなど生き物の毒やキノコなどの
自然植物などの毒素

※科学性食中毒は食品の取り扱いに
充分注意して管理や調理を行う事で
防げる可能性が上がります。
※フグ調理には免許取得が必要です。

【ウイルス性食中毒菌】
ウイルス性の菌で最近ノロウイルスが
危険性が高くよく話題に出ていますし
他にE型肝炎ウイルス等があります。

『ノロウイルス』
口から直接体内に入る事で感染。
感染者の便や吐物からの二次感染、
感染した人が調理者・業者などで
食品を介した場合などに感染する。
カキなどウイルスに感染した
貝類などを過熱不十分で食した場合や
汚染された水を消毒せずに
使用した場合に感染する。
激しいおう吐・下痢・脱水症状を伴う。

『対処方法』
消毒への抵抗力が非常に強いので
対処にはかなり注意が必要。
アルコール・高温・乾燥・酸にも強く
水中でも長時間生息。
ブリーチ(次亜塩素酸ナトリウム)等で
消毒できるが手や接触した個所
全て消毒が必要。

【細菌性食中毒】
細菌性食中毒も更に二つに分類して
考えて行きます。

・毒素型
黄色ブドウ状球菌やボツリヌス菌など

『黄色ブドウ状球菌』

黄色ブドウ球菌

人の指や鼻水・髪の毛、自然界に
広く分布しているので特に注意。
カサブタや手から感染し食品や布巾など
二次感染も多い。
毒素が非常に強いので危険。
嘔吐・下痢・腹痛を伴う

『対処方法』
飲食従事者は髪の毛や傷、かさぶたに
就業中一切触れない事。
掻いたりしても菌は感染します。
触れた後必ず洗浄・消毒する。

『ボツリヌス菌』

ボツリヌス菌

土壌などに広く分布している。
海産物・瓶詰などで増殖事例がある。
一定期間保存した熱処理をしない食品が
原因になり易いので注意。
胃腸炎・脱力感・めまい・呼吸困難、
更に死亡例もある危険な症例もある。

・感染型
サルモネラ・カンピロバクター
腸管出血性大腸菌など

『サルモネラ菌』

サルモネラ菌

鶏・豚・牛などの食肉や卵が主な原因で
ネズミやゴキブリ・ペットに触れた
人の手を介し感染。
腹痛・下痢・発熱・嘔吐を伴う。

『カンピロバクター菌』

カンピロバクター

豚・鶏・犬等の腸内に生息し、
鶏や豚が汚染された食肉が
過熱不十分で感染する。
腹痛・下痢を伴う

『病原性大腸菌』
O-157など死傷者の例もある。
家畜やペット、人など広く分布。
井戸水などを介して集団発生の事例も
多くあったので注意いが必要。
嘔吐・腹痛・下痢・赤痢、場合により
死亡例もある危険な症例。
O-150など種類も豊富。

前田
「食中毒菌って結構多いんですね~」

倉持
「まだまだ種類はあるし注意点も多く
気を付けなければいけない事が多いから
別に資料を渡しておきます」


そう言うと倉持は前田と本田に
食中毒の知識について冊子を渡し
勉強しておくべき課題としたのでした。


つづく