第96話:売上の大部分は一部の固定客が作る | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と部下の前田は居酒屋の店長
松井に売り上げを伸ばした法人営業の
手法を教えて貰いに来ていました。

第96話:売上の大部分は一部の固定客が作る

本田承太郎と前田が学びに来ていた
居酒屋の店長松井は法人営業で

固定客を作る事が重要だと本田達に
話していました。

法人営業では新規の客層を新たに
取り込んで固定客化を目指して
サービスしていきます。

この時に松井店長は、
一般新規客への割引施策は行わず、

営業で回ったお客様のみに
割引を行う事で無駄な販売促進費の
削減と顧客離れを防ぐ

効率的な方法だと教えて
くれたのでした。

松井店長のお店も以前は低迷して
相当悩んだそうです。

もともと割引という施策自体が
好きでは無かったのでお店が
低迷してきても割引販促はあまり
しなかったそうです。

基本的には割引はお店を低迷させる
原因にもなりかねないので
コンサルティングを受けるまで
割引してなかった事も

後の法人営業に良い影響を
及ばしていきました。

結果的に常連客の底上げが出来て
普段の売上が安定し始めたと
言うのです。

「前田さん、流行っているお店の

お客様の比率は固定客と新規客で
どういう割合か知っていますか?」



「お店によって違いますよね?
あ、もしかして本田課長が言ってた
パレートの法則ってやつですか?」



「よくご存じですね、

解釈は色々ありますが
固定客が売上の8割を出している
お店が理想的ですね」


「つまり、リピーターが多い
という事ですよね。」


「そうです、お客様が固定化して
いつも来てくれる人の率が上がれば
売上は安定していきます。」


「そこまでに苦労しますよね」

「まずは、
そこまでの道のりを把握しておくと
計画が明確になりますよ」



①割引や特別なサービスをしてでも
宴会で新規客を取り込む


②新規客で宴会予約を取る

③来店したお客様を感動させる

④お客様を固定客化、常連化させる

⑤売上が安定する


「3番のお客様を感動させるって
言うのが難しそうですね」


「もちろんそうですが、
お客様が来てくれ無いとそれすら
出来ませんよね?」


「そうでした」

「だから順を追って今回は
新規宴会取得だけに注力した方が
良いと思いますよ」


「解りました。スイマセン」

「前田さんの言いたい事は
よく解ります。

お店をオープンしてしまったら
全部同時に進行していきますので
考える余裕は無くなってしまう
でしょうね。」


「はい」

「ここでは、
売上の大部分は一部の固定客が作る

と言う事を覚えていて貰えば
良いと思います。」


「売上300万なら240万は
再来店のお客様で売上げろという
事ですよね」


「そうです。

法人営業で取るのは60万の部分、
そこからお店の良さを教えて
絶対に2回目の来店を作ると
目標を立てていくのです。」

「法人営業はとっかかりで、
お店に来て満足してもらわないと
意味が無いですもんね」


「その通りですよ。

この図を見て解るように、
お店に固定客を受け止める器が
ちゃんと有るからこそ、

また来店してもらえて売上が
安定するんです」


客離れの図

「その為に出来る事をやっていけば
良いだけですので考える事は
単純で良いと思いますよ」


「ありがとうございます」

本田
「お店の売上が低迷するお店の
原因は新規客を固定化出来て無いと
いう事なんですよね」

「そうですね、飲食と言うのは
1回買って終わりの商売では
無いですからリピーターが
重要ですよね」


「ボロボロの一杯飲み屋や
寂れたスナックが何故か潰れない
というのはそういう理由が
あるのかもしれないですね」



松井店長は
そように固定客をしっかりと
作っていけば例えお店の立地条件や

外観の作りが不利な場合でも
デメリットを消す事が出来ると
教えてくれたのでした。


つづく

【中古】 「顧客離れ」を食い止める営業戦略 市場縮小時代のシェアの高め方 PHPビジネス選書/...
¥200
楽天