本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と部下の前田は居酒屋の店長
松井に売り上げを伸ばした法人営業の
手法を教えて貰いに来ていました。
第92話:すた丼が賛否両論な理由
松井店長は法人営業は私たちの様な
市場に参入したての弱者が使う
弱者戦略だと教えてくれました。
そしてこんな事も言っていました。
松井店長
「最近の傾向では差別化の部分で
個性を出してきている大手の
チェーン店も実は多いのです。」
前田
「どんなお店でしょうか?」
「大衆ウケする万能タイプの
メニュー構成などはどうしても
外せない部分はありますが、
それに加えて同系列の中から
抜きんでる個性を加えて
競合に勝つ取り組みを行って
来ているのです。」
「確かにファミレスでもお店で
個性が違う感じはしますね」
「昔は新しく出来た業種自体が
差別化されていました。
ファミレス自体もそうですが
カレー屋・ラーメン屋など
日本文化として多く世に
広まるほどの新たな日本食
となりましたよね。」
「日本食なんですかね~」
「当然チェーン店が出てくると
目新しくて行きたくなります」
「私は怖くて
誰かに連れて行かれないと
入れないタイプなんです・・」
「でも、
ラーメン屋ばかり増えると
ラーメン屋同士の競合が激化
するようになってその中からも
差別化が必要になるのです。」
「それはそうですよね、
ラーメン屋の中でも一番
美味しい店に行きたいですし」
「最近は更に進んでて
賛否両論される店作りまで
発展しているんですよ」
本田
「それは興味深いですね。
どういうお店なんでしょうか?」
「すた丼ってご存知ですか?」
すた丼とは
昭和46年創業の豚丼の店で
【伝説のすた丼屋】の
人気メニューのことです。
「名前は聞いた事ありますね」
「私、知ってます。
ニンニク臭くて塩辛くて
あんまり美味しく無かったから
私は苦手ですね。
そもそも量が多すぎて
食べられなかったですもん」
「前田さんの言うように、
そういう理由で、
美味しくない。
と評価される一方で
美味しい・クセになる、
御飯がすすむ。
という様な好意的な意見も
多く聞こえてきています」
「へ~そうなんですね。」
「つまり、
賛否両異論される程の
インパクトある商品をわざと
生み出したお店の個性作りの
戦略の成功事例なんです」
「なるほど、
中々勇気が要る手法ですね」
「それだけの自信と開発力や
リサーチ力がある分、
個人店に出来ない新しい
戦略なのかもしれませんね。」
「法人営業の話とはちょっと
話が逸れますが、
このすた丼の戦略は結構
勉強になる事が多いんですよ」
そう言うと松井店長は
脱線してすた丼の魅力について
語り始めたのでした。
つづく
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