前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田はある飲食店で年末繁忙期に
爆発的に売り上げを伸ばしている
お店からその方法を学んでいました。
第84話:爆発的に売り上げを伸ばしている店
本田承太郎は繁忙期に限定して
爆発的に売り上げを伸ばしている、
ある居酒屋の事を前田に
話していました。
「前田、他の月と違いその月に
限定して売り上げが伸びる商売は
何があると思う?」
「え~と、バーゲンとかですか?」
「うん、他には?」
「え~と、
この時期だから売れるとすれば、
おせち料理とかでしょうか?」
「そうだな、季節や時期が
限定している物は当然そうなるな」
「あ、解りました!
クリスマスのケーキ屋さんとか
爆発的に売れるじゃないですか!」
「そう。それを居酒屋で考えると
何だと思う?」
「忘年会ですよね」
「そう、
この時期限定で忘年会は開かれて
年末にボーナスも入るから
財布のひもが緩む繁忙期として
飲食店だけじゃなく
色々な商売で忙しくなる時期で
そこでお客様を取りきる事が
戦略になってくるよな。」
「そうですね、でも
昔からそう言われてますけど
毎年この時期爆発的に売れるなら
あんまり戦略としては
変わらないんじゃないですか?」
「今の前田が言ったのは
【多分今年も売れるだろう】
という戦略だが、これを
今年はこれだけ売る。
という戦略に変える事を色々と
試行錯誤されているんだよ。」
「そうなんですか?」
「例えば、12月に居酒屋が
忙しい理由は忘年会だから
忘年会の予約を取る事が
売上に直結するけど
電話を待ってるだけでは
予約だけで席は埋まらないと
思わないか?
だから、予約を取りに
営業をかける事が戦略として
居酒屋が取り組んでいる
事なんだよ」
「営業?訪問セールスみたいに
民家を回ってるんですか?」
「実はその通り。」
「えー!?
見たこと無いですけど
居酒屋でそんなことまで
するんですか?」
「そう、
友人に頼むだけじゃなくて
自分たちで普通に営業しに
歩いてサービス券持って
営業しに行くんだよ。」
本田承太郎の言うように
お客様の囲い込みの競争が
激化している中、
お店の中で待っているだけでは
売上が取りきれない中で
セールスをすれば
予約してくれる確率が高い
需要のある時期に営業を行い
確実に売上げを取っていく事が
他の月を助ける事になると
いうのでした。
「どうやって忘年会の予約を
取れば良いんですか?」
「今回は、
忘年会予約を営業で取っていて
他の月との売り上げが2倍に
なっているという居酒屋の所へ
営業方法を聞きに行こうと
思ってアポを取っといた」
「研修ですね、解りました」
そろそろ、
部下の前田も本田承太郎の
突然の行動に慣れてきた様子で
ネガティブな前田の意識も
少し変わりつつありました。
今回出向く行先は大阪にある
繁華街の居酒屋でビルの中に
テナントとして入っている
お店でした。
このお店との出会いが
後の本田たちのプロジェクトに
大きく関係してくる
「ある人物」との出会いの
きっかけとなったのでした。
つづく