前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田の部下の前田はアパレルの
接客術が飲食店での接客に
参考にならないか考えていました。
第82話:接客ストーリーを見る事
友人ハルカの言う
ショップ店員の良い接客での
ポイントで次のようなものが
ありました。
「ノルマは気にしない」
そんな事は無理かも知れない
と思いますが
ノルマに追われて考えると
良い仕事は出来ません。
ノルマを目的意識に変えて
楽しめる人は性に合っている
のかもしれませんが
ストレスや負担になるのなら
接客技術を早く身に
付ける方が近道となります。
「観察力を養う」
服を見に来るお客様は店員に
接客されると嫌がる人も
比較的大勢います。
この時に、
下手に接客して声かけすると
嫌がられてしまい、
お店から出て行く人も
いるのでは無いでしょうか。
お客様に自分の所作で
買わないと思っている事が
伝わってしまうように
お客さまからも所作で
どう思っているのかを
読み取る事が出来ます。
例えば、
「いらっしゃいませ」の後、
ちょっと近づこうとすると
目を合わせない人や
微妙に距離を取る人などは
じっくり見て回りたいので
観察しながら放置する方が
良いのです。
この時、お客様は
聞きたい事が浮かんだら
目を合わせてくるので
このタイミングを逃さない
ように凝視しないように
観察しておく必要が
あります。
「機転を利かせる」
ノルマを気にするとすれば
こう言う部分で改善すると
良いかもしれません。
声掛けないとノルマが・・
と思うよりも、
在庫切れ商品が欲しいと
言われた場合や、
お客様に
似合ってるかと聞かれて
似合っていない場合、
ちゃんとお客様の事を
考えて対応すると
後になって返ってきたり
別の商品を買ってくれる
確率も上がっていきます。
「勧めるタイミング」
商品を勧める為には
いきなりではなくお客様の
買いたいタイミングを見る
必要があります。
お客様重視の視点になると
そのタイミングも見えて
来るようになります。
そして、
お客様がその服に
興味を持った瞬間が
勧め時なのです。
遠目に見たり、気遣いで
声を掛けたりして
様子を伺いながら
提案する事をしても良い
ですし
迷っているなら
その迷っている理由を
突き止めなければ
なりません。
似合うかを気にしている
人には褒める事。
今必要な服なのかを
気にしている人であれば
シチュエーションの
提案をする。
価格の問題であれば
出来る範囲で考慮する。
このようにアプローチを
していくと次第にお客様は
買う気が湧いてきます。
ここで背中を押す一言が
初めて勧める言葉であれば
良いのです。
決して押し売りにならない
接客が理想的な接客スキル
だとハルカは前田に
話したのでした。
前田はアパレルの接客も
参考になったと、
上司の本田に報告して
飲食店での接客方法に
使えないか考えて行く事に
したのでした。
本田承太郎の見解では
接客にストーリ性があって
ポイントを分けて考えると
教える時に理解しやすく
なるのでは、と言います。
①来店時に情報を得る
お客様の様子や客層など
②お客様の目的を知る
欲しい服や興味、着ている
服装からの趣味の傾向など
③提案やアドバイス
聞かれた事についての意見や
似合うスタイルのアドバイス
④迷っている背中を押す
興味を示した人の迷いを
見極めて背中を押す
タイミングを図る。
この事からも解るように
接客ではぐいぐい来られる
接客は嫌でも
何もアドバイスしてくれない
のも物足りず嫌。
と、思ってしまうように
接客での押し引きの
ポイントを理解すると
接客ストーリーが見えてきて
難しく考えなくても自然な
良い接客をしていける事が
解ったのでした。
つづく