前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
部下の前田の友人がブラック企業で
悩んでいてプロジェクト進行の
参考となると考えた本田は前田と共に
この問題を調べていました。
第74話:社員の使いきり戦略
ブラック企業などは
特に新しく入ってきた社員を
「使いきり戦略」で
厳しい環境に置いて
職場環境や労働条件に
不満を持って辞めていく人には
辞めてもらい、
生き残った
「頑張る人材のみを残す」
という状況を作ります。
特に体育会系の企業に
この様な体制が多く見られ
管理職が述べているのは
正論だらけで隙がない、
勢いでまわりの人を
掌握していく様な
リーダーシップを持っている
場合がタチが悪いのです。
この様なケースは
なかなか新人が
覆すことができない状況に
なっていて辞めるしか
ありません。
また、
新入社員という
何の成果も出してない人材や
仕事を覚えてもいない
戦力的にゼロの人間を
甘やかすほど
企業も余裕は無いので
入社当初に厳しくなるのは
当然の事なので
入社したての頃は
ブラック企業なのか
これが当たり前なのか
見分ける事は難しいでしょう。
そういう部分に付け込み
厳しく健全な会社を装って
どんどんノルマを与えて
思考停止させて
疲弊させて辞めていくまで
使い切る戦略が水面下で
行われているのです。
当然管理する側は
この事を把握していますし
口頭で
「嫌なら辞めろ」
などと言うことは言いません。
後で問題になりますし
自分の意思で辞めて貰う事が
重要だからです。
最近の巧妙化している
詐欺手口のようですね。
もちろん
自分がそういう状況に
今まで耐えてきたという
生き残り管理職であれば
「嫌なら辞めろ」
と言ってしまう場合も
あるかもしれません。
自分はそうやって耐えてきた、
耐えられないなら早めに
やめるべきだと
暗に教えてくれているのです。
だから真面目で
ハートの強い人間が会社で
生き残っていきます。
我慢強い人間が生き残って
会社はその人間を評価して
役職者になっていきます。
それで
「強い組織風の組織」が
出来上がっていくのです。
仕事は苦行ではないので
厳しさは必要ですが
苦しみとは別問題と
捉えなければいけません。
もし、そういう状況が
何年も続いてしまうと
少し振り返ったくらいでは
今の自分が置かれている
状況というものは
理解できないでしょう。
社外の人間に相談するのが
良いですが家族や友人は
自分寄りの人間なので
おすすめしません。
確かに完全に自分の味方で
励ましてくれますので
心の支えにはなりますが
問題が解決するわけでは
ありません。
簡単なのはネットなどに
書き込んで質問すると
賛否両論あるので
客観的に見やすいかも
しれませんね。
ただし、
ネットの意見は責任感の無い
人ごとな意見だという事を
忘れてはいけません。
弁護士や労働基準監督署に
相談することも出来ます。
疲弊している人には
裁判を起こす元気も無いかも
しれないので
誰かに
話を聞いて貰うだけでも
気持ちが少しは楽に
なるかもしれ無いので
人に話すことが一番だと
思います。
真面目に働く人間が
減っている世の中なのも
事実ですし
モンスター社員や
ブラック社員
バイトテロなどの問題も
多く話題ににも挙がります。
人材が育たないなら
社員を採用して使い切れ
という企業の姿も
悲しくなります。
双方の問題に目を向けながら
まっとうな組織を
作って行く事が大事だと
改めて本田承太郎は
思ったのでした。
つづく