前回までのあらすじ：藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
部下の前田と一緒に参加した飲食店基礎講座で講義を受講していた。
前田に言われた一言は本田にも気付いてない自分があるという事だった。
第２１話：ケーススタディで学ぶ「コーチング」
飲食店基礎講座の昼食休憩中
本田承太郎はと部下前田との昼食中での会話だった。
「本田課長も自分では見えてない部分がありますよね。」
「やっぱり自分では解らないものだな」
「私は以前から思っていたんですが、本田課長の話は
説明するときに例え話が多いんです。」
「なるほど、確かに例えて説明する事は多いかもしれないな」
「そうなんです。それが他の人と違って理解しやすいなと思って。
しかも無意識で例え話が出てくるんですね」
「その事を無意識で話していると良く解ったな」
「本気で物事を伝えようとしている人って大体雰囲気で判別できますよね？」
「その時に熱くなって色々言われても入ってくるのは少ない情報しかないんです。
でも、例えて話をされるとストーリーを覚えてる事が多くて印象的なんですよね」
「なるほどな、そう言えば前田位の年に参考にしていた事で
ケーススタディという表現方法を学んだ事があるが、人材育成に効果的な
ケーススタディ技術を前田も学んでみると良いかもしれないな」
本田承太郎が言うケーススタディとは
簡単に言うと「例え話」の事なのですが
説明するときに一方的にやり方等を、
「こうやって、こうやって、こうやれば出来る」
というような説明を受ける時があります。
でも、ケーススタディでは
こういうケースではこういった事例があります。
と言う説明になるのです。
これってどこかで見たような気がしませんか？
例えば、インターネットでお買い物をした時に
「よくある質問」「Q&A」という項目を見たりします。
これは、あらかじめ質問を想定した
ケーススタディの応用になるんですね。
他にも質問掲示板など見たことがあるでしょうか？
例えば、ホームページの作り方が解らない時に、
ハームページ作成専門サイトを覗くよりも
質問掲示板で自分がわからない項目を検索して
それに対応した人の例を見ることができますよね。
これも、ケーススタディの一種なのです。
これは、スポーツや仕事上でもコーチングスキルとして
よく使われたりします。
つまりこのような、解り易く便利な手法は
もうすでに世の中に多く出回っているんですね。
では、会話の中でも積極的に使う方が解り易く
便利になると思いませんか？
使い方は簡単なのですがクドくなら無いように気をつけたい所です。
仕事上で対処法を説明する時には
「以前成功した人はこういうやり方をした」
「前任者はこういうやり方で失敗した」
という事を伝えることで相手は自分に置き換えて想像します。
普段の会話などで気持ちを伝える時などで
面白い伝え方などの例があります。
「タンスの角に小指ぶつけた時くらい辛い」
「アイス買ってアタリが出た時くらい嬉しい」
ちょっとウザイ気もしますが
不運な事を誰もが経験した事があるような不運な事例で
説明すると相手が自分の気持ちを共感しやすくなるという事です。
実はお笑い芸人などもネタではこのような手法を
よく使っているんですよね。
お客さんに解り易くする時のツッコミなどがそうです。
くりいむしちゅーの上田さんのツッコミらしいですが
遅いことの例えで
「11月に冷やし中華はじめましたくらい遅いよ！」
早すぎる状況の例えで
「早過ぎるよ。レベル２００のテトリスか！」
という事を言ったそうです。
冷やし中華やテトリスを知っている人なら
共感出来るというわけなんですね。
つまりこの事から考えると
例え話の力、「ケーススタディ」とは
「あるあるネタ」のことを言うんですね。
こう考えれば仕事への応用も効き易いのではないでしょうか。
本田承太郎は、
「前田は、米屋の娘がパン屋になる！みたいな奴だな」
そう言って午後の講義へと向かうのでした。
前田は
「どう言う意味ですか？」
と言って解らない様子で休憩が終了しました。
午後からの講義で出た議題は
「現状把握について」のお話でした。
そこで、最も基本的な事が出来ていないと
本田承太郎は気付いたのでした。
つづく
