第13話:フィードバックで心を動かす | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
新しく始めるプロジェクトの責任者である本田は、
自分の職場の雰囲気が以前と変化していて
全体のモチベーションが低下しているという事に気付いたのでした。


第13話:フィードバックで心を動かす

本田承太郎が所属する部署の意識低下は微かなものでしたが
本田は危機感を感じていました。

モチベーションの低下で招く問題点は拡大して
元の状態に戻すには何倍もの時間と労力を必要とするからです。

特に先日まで研修で参加していたお店の状態は
店長がワンマンで偏った営業体制になっていたので
元に戻すことを考えると相当時間がかかるだろうなと
本田自身も感じていたからです。


飲食店と企業の体制は違うと思いますが
責任者の影響で雰囲気や社員のモチベーションが変わってくることは
あるのかもしれません。

本田が今回始めに面談した女性は青木という社員で
勤続3年目になる一般事務の仕事をしていました。

彼女は藤森部長が責任者になってから
営業部に回され新しい仕事を始めていました。

仕事内容は何も解らないので割り振りは無く、
後輩に仕事を教えてもらう立場になっていました。


前の部署では後輩を教える教育係の立場だったので
プライドも傷つけられた事でしょう。


話を聞いてみると、青木さんは

「今の部署で後輩に注意しても、
自分より仕事できない人に言われたくないです。って言うんです。」

と言って明らかにふてくされていました。
以前の彼女は嫌なことがあっても笑顔で

「頑張ります。」

という人だったのですが
こんな時どのように
アドバイスしたあげれば良いのでしょうか?


例えば、
これが飲食店の場合だったとして、青木さんの立場が
アルバイトだったとすればかなり問題だと思いませんか?

接客業でふてくされたまま機嫌の悪い顔を
お客様に見せてしまう恐れもあるし、
態度に出るかもしれません。


実際に本田が行った研修先ではお客様からのクレームが
何度もありましたし接客する業務でないからといって
これを見過ごすわけにはいかなかったのです。


研修先の加地店長の様にこの問題と向き合わない責任者は
もはや管理職にスキルが足りていないと思わなければなりません。


直接青木さんには責任は無いので一方的に責めることは出来ないし
気持ちも解るので可哀想に思えてしまいますが
問題点は、今の青木さんの態度のせいで
会社に迷惑が掛かっているという事です。

仕事にミスは付き物ですが反省の無い人間には成長は無いですし、
成長を目指さない人間を放置することは
会社にとって大きなマイナスになるのです。


飲食店の例えで言うならば
このアルバイトをどうやって注意すれば良いでしょうか?


自分には非が無いと思っている相手に
今の現状を理解させてなおかつ態度を自ら改させる
言葉を考えなければなりません。


言葉が全てでは無いので本気でぶつかれば伝わるかもしれませんが


一店を預かるという責任は重いものです。
それなりのリスクマネジメントをスキルとして備えておかないと
問題が起こった時に行き当たりばったりの対処では
上手くいけば良いのですがそれではリスクが大きすぎるのです。



本田承太郎の会社である藤堂物産も体制としては
創業40年の成長企業なので昔ながらの社員育成が続き、

役員たちもアメとムチどころかムチと世渡りで
幹部になった人達が多いのが影響して
昔の体制が抜けないのも事実ありました。


そんな中、バブル世代の下の世代である
本田や片岡はゆとり世代に挟まれて、
部下や上司とうまく付き合わなければならない世代として
様々な勉強を行ってきた事が役に立つスキルとなっているのでした。


成功率100%の方法などありませんが
今回本田が使う手法はある法則に基づいて考えられ
結果から言うと見事に青木社員はモチベーションUPに
成功していました。

つづく

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