こんにちは。

 

ブランディング戦略家の鈴鹿久美子です。

 

 

今日は梅雨入りですかぁ?

始まりましたね

雨雨雨の日々。

 

 

傘をさして急ぎ足で歩いていて

懐かしいビルの前で

思い出したことがあります。

 



 

そこは毎日のように通ったレストランが入っていた場所でした



 

お気に入りの店でしたが

気心の知れた店長が退職し

足が遠のいたあと

閉店になり

今は違うお店が入っています。

 

 


 

懐かしさで見上げたビルの窓を見て

あの年は喪失の連続だったことを

思い出しました。

 

 

 







あの年の暮れ

 

「どうして

私が大切だと思っているものから順番に

失ってゆくのだろう」

 

私はひとり

茫然としていました。

 

 

 

 


あの年

命に代えても惜しくないと思い育てた娘を

彼女のパートナーに手渡しました。

私の役割は終わったと思いました。

 

 

 

その娘の結婚式の席上で、

息子が友人と楽しそうに話すなかで

「俺の実家さぁ」という言葉を耳にしました。

 

 

 

・・・「実家」かぁ

 

 



3人を育てた私の家は

いつのまにか

「家」ではなく

「実家」に変わっていました。

 




子ども達が、

巣立っていたことを

改めて知らされました。

 

 



 

 

そしてその同じ年

秘書時代から私を支えてくれて来た

スタッフが退職しました。

家業を継ぐことになったのです。

7年間ずっと一緒でした。

 

休み明けで出社したとき

「今日の予定は」と報告してくれる声のないことに

茫然としました。

 

 



 

 

疲れた時に癒してくれる店がなくなり

娘が結婚して手を離れ

いつも私の隣にいたスタッフがいなくなり

 

 

 

「どうして大切なものから順に

手元からどんどん消えてゆくんだろう」

 




 

 

心の置き場所を失い

茫然としていたことを思い出します。

 

 



 

 

でも、

いま振り返ると

あの時

わたしは

ステージが上がる準備を

整えていたのです。

 


 

そのために

役割を終えたものと

別れを繰り返していたのです

 


 

 

 

 

ステージが上がるということは

ちがう世界に入るということ。

 

 




 

それまでと違う世界に入るのですから


常識も

習慣も

言語も

変ります。

 

 

 


 

それまで持っていたものが

役に立たなくなる

不要になる



 

 

それまで必死で握りしめていたものが

手から零れ落ちるように

なくなってゆく

 

 



 

ふとみると

自分の手のひらは

空っぽになっている

 

 

 

 

でも

次の瞬間

手のひらが自由だということに

気がつくのです。

 

 

手のひらがいっぱいだったら

新しいものをつかむことはできない

次の新しい、輝かしい世界の扉は開けない

ということ。

 

 


 


 

 

必死で握りしめている

大切だと思ってきたもの

一生モノだと思っていたこと

それがない人生なんて考えられなかった自分を

手離すときが来たなら

 

 

 

ステージが上がるときです。

 

 



 

 

顔をあげて

空を仰いで

来た来た!

と思っていればいい

 

 

 



 

空っぽの手のひらは

 

軽やかで

自由で

 

今までが

どんなに重く苦しかったのか

ということに

気がつきます

 

 



もう何がきても掴むことができる

 

 

 

 

喪失感を味わっているなら

それはステージアップの前奏曲♪

 

 


 

懐かしくて見上げた

古いビルの前で

そんなことを思った

雨の午後♪

 



 

大丈夫

全ては良い方に進んでいるから

心配しなくていいよ、と



 

傘をかしげて見上げたビルの前

 



あの時の

打ちひしがれた自分を

励ましてあげたくなりました。

 

 

雨は優しい