こんにちは。
ブランディング戦略家の鈴鹿久美子です。
「政治家になって成し遂げたいことがあるんです！」
数年前
そう言って、
赤坂のオフィスに訪ねてきた男性がいました。
そして
その2年後
圧倒的に劣勢な選挙戦を
腹が決まった
凛とした顔で
いさぎよく
戦い抜き、
マスコミも
推薦を出した政党も
だれも勝つとは思っていなかった
圧倒的劣勢の選挙を
自分に備えた魅力で
勝ち取った
すごい人でした。
今は
政策通
実行力
実現力で高い評価を得る政治家として
活躍されています。
その方の
選挙の初日
告示の日の朝の光景を
今も折に触れ思い出します。
告示日の朝
私は
ホテルの
遮光カーテンの隙間から漏れた明かりで
目を覚ましました。
カーテンを開けると
霧雨まじりのどんよりとした曇り空でした。
「雨かぁ」
時計を見ると5時半。
今日は神社で出陣式。
いよいよ今日の日を迎えたんだ。
「政治家になって実現したい施策がある」と
青臭く早い気荒く私に政策を語った光景が
遠く、曇り空に重なりました。
市長選に出るのか、
国政で挑むのか、
どの政党の支援を受けるのか、
どうやって人脈を構築して進むのか、
まさに
何もかも
ゼロからのスタートでした。
一歩一歩
自分の足で歩むことを共にしてきた月日が
その雲の向こうに
蘇りました。
私は
身支度を終え
予定の時間よりずいぶん早かったのですが
気もそぞろで
出陣式の神社へ向かいました。
神社につくと
ボランティアスタッフが
揃いのオレンジのジャンパーを着て
テーブルを並べていました。
しばらくすると
「議員」「団体」と立て札をつけている横に
国会議員や大臣らが
玉砂利を踏みしめ
ぞくそくと
はいってきました。
これだけの大物が揃っても
勝率13％の「負け戦」と言われる
選挙でした。
候補者は
その数字も知ったうえでの
出馬です。
あまりにも数字が悪いので
私が
立候補を取りやめるという手もある。
次のチャンスを狙っても良いのではないか、と
話した時
「自分は覚悟が決まりましたから」
そう言って
あはは
と
笑った顔が蘇りました。
何とも言えず
覚悟の決まった
美しい表情でした。
私は
うっかり目頭が熱くなったことを思い出しました。
神社の拝殿では
予定時刻の10分前には
既に全ての参列者が席を埋めていました。
予定時刻になり
私が
候補者を
待機していた車の中に呼びに行くと
覚悟の決まった
あの顔で
微笑んで待っていました。
「さぁ、行きますか」
神事が終わり
出陣式も
「頑張ろう！」コールで
気勢を上げ
セレモニーは滞りなく終わりました。
すると間もなく
「候補者が選挙カーに乗り、行って参ります！」
アナウンスが流れました。
――あ、もう出るんだ
そう思い
ひとめでも顔を見たくなり
人波をかき分け
選挙カーに近寄ろうとしたとき
彼は
プロのウグイス嬢に促され
選挙カーの助手席に乗り込んでいるところでした。
私が作った選挙カーの看板と
揃いのジャンパー
そして彼は選挙ビラを手にしていました。
「候補者が、有権者の皆さんの元へ、政策を届けに行って参ります！」
「どうぞ応援を宜しくお願い致します！」
「元気よく、行ってきます！」
玉砂利を蹴散らし
選挙カーが
神社をあとにしました。
群れよるマスコミのカメラの後ろから
姿を追ってみても
涙でにじんで
表情は見えませんでした。
－－大丈夫
ウグイスさん達はプロフェッショナルだ。
ゼロから育てた人を
手放す瞬間でした。
ここまできたら
私はもう不要。
あとは
バックヤードで
粛々と戦略を成し遂げるのみ。
がんばれ
頑張れ
やり抜けば
光の差す瞬間は
必ずやって来る。
あの日
選挙カーを見送った景色が
いまの私のコンサルティングの原風景になりました。
12年にいちどの選挙年。
4月は日本中で490件もの選挙があります。
同じような風景が
日本中で
繰り広げられるのでしょう
演説原稿を書きながら
ふと
あの日を思い出しました。
3月22日にマキノ出版から
新著が発売になります
読んで頂けると嬉しいです♪
Amazonでしたらこちら
↓↓↓
「最強の自己紹介」
□読者登録
よろしければ読者登録よろしくお願いいたします。
□鈴鹿久美子著書
「会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方」
■株式会社インスタイル
◎ 代表 鈴鹿久美子プロフィール はこちら
◎ 政治家コンサルティング はこちら
◎ 執筆・講演依頼 はこちら
■国内唯一の｢議員秘書｣専門の転職マッチングサービス
◎ 議員秘書.com はこちら