こんにちは。
ブランディング戦略家の鈴鹿久美子です。

 

 

 

「残念な貼紙」シリーズを何度か書いていますが、

今日は、あっぱれな

 

「お手本」シリーズ!

 

 

 

 

先日、出張先で知人に連れて行ってもらった食堂でのこと。

 

 

昭和な印象の扉

 

 

一歩入ると

良い匂いを放つお土地柄感満載な定食と

それをほお張る男性で店内はいっぱいでした。

 

 

 

「美味しそう~~~!」

 

 

 

湯気の立つお膳を

黙々と食べ続けるおじさま方

 

 

 

「お腹なりそう~!」

 

 

 

壁に貼ってあるメニューを眺めて

もうどれも美味しそうにしか見えず

「全部食べたい!」と言いながら

知人に選んでもらった

「おススメ」を注文。

 

 

既に

鼻が周囲の美味しそうな匂いを

バキュームのように吸引していて

よだれが溢れそうでした。

 

 

 

お膳が待ちきれず

空腹を紛らわせるのに店内をキョロキョロ見ていたら

 

 

 

「なにコレ?!かわいいー!!」

 

 

 

メニューの下の小さな貼紙をみて

思わず引き込まれるように読みました。

 

 

小さな紙にはこんな風に書かれていました。

 

 

 

「おねがいがあります。」

 

 

  あら、何かしら

 

 

「おみせの中では」

 

  はい

 

 

タバコは、すわないように」

 

 

  はい

 

 

「おねがいします。」

 

 

 

 

短いメッセージの中、

 

冒頭に

 

おねがいがあります。

 

と。

 

 

こうこられたら、

心の中で思わず

 

 

「はい、何ですか?」

 

 

と聞きたくなります。

 

 

 

そして次に

 

おみせの中では

 

という限定をつけて

ちょっと大きめの文字で

 

 

タバコは、」

 

 

  あー、タバコね

 

 

すわないように

 

 

  そうね

  食事するところだもんね

 

 

おねがいします。

 

 

  最後にもう一度

  「おねがい」されてしまった。

 

 

 

そして

店名と

多分タバコはダメよというイラスト的なもの。

 

 

 

 

この天才的な

文章構成とデザインには

 

もう唸るしかありませんでした。

 

 

大手広告会社電〇も参ったと首を垂れるのではないでしょうか。

 

 

あっぱれ!です。

 

 

 

何があっぱれなのか

分析しますね。

 

 

 

これは、

私が政治家に

委員会質問や自己紹介等のコンサルティングをする際に使う

「双括型」という文章構成になっているのです。

 

 

 

先ず、

冒頭と文末

お願い」を配する。

 

 

そして

「禁止」の言い難いことを言うのだから

 

 

「おみせの中では」

この場面だけは

という「限定」をつけ

 

 

「タバコはすわないように」

 

 

ここです、ここ!

「すわない」ように

 

 

「吸わないでください」

ではなく

「すわないように」

 

柔らかく

こちらの要望を述べているのです。

 

 

しかも

 

子どもが書いたような文字で!!

 

 

タバコを吸う人が

子どもにこんな風にお願いされたら

 

 

自分の子どもに

 

「お父さん、身体が心配だから」

 

と健康を気遣って

タバコすわないでね

 

 

と言われたようで

 

 

タバコ

吸えなくなります。

 

 

 

もしこの貼紙が

ただ

「禁煙」

 

とだけあった場合との印象を比べてみてください。

 

 

この貼紙との印象は

天と地ほど違うのです。

 

 

 

ほどなく運ばれてきた湯気の立つお膳を見やりながら

 

このお店が

多分

昭和の初めころから

お客様に愛されながら

ずーっと営業してこられた

その理由を見た思いでした。

 

 

 

あっぱれなお手本的貼紙

 

 

たかが貼紙

されど貼紙

 

 

あまりに素敵だったので

感動のおすそ分けです。

 

 

今日は台風が来ているようですね。

皆さんの地域は如何ですか。

 

 

どうぞ被害のありませんよう。

 

 

 

飛ぶかどうか心配でしたが

無事離陸した飛行機の中から

あっぱれ!をお届けしました(^^♪

 

今日も良い一日でありますよう。

 

 

よろしければ読者登録よろしくお願いいたします。

 

 

鈴鹿久美子著書
「会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方」