介護事業コンサルティング -19ページ目

介護事業コンサルティング

介護事業経営者
管理者
介護講師向けに、

・コンサルティング
・コミュニケーション
・ブランディング
を中心に書いています!

介護報酬引き下げを受け、多くの介護事業所が経営に大きな打撃を与えられると予想されているなか、「帝国データバンク」が過去10年間で休廃業もしくは解散した老人福祉事業者に関する動向調査を発表しました。

{F9BDEBB9-EA2C-4658-8CEE-CAEF51543766:01}



在宅介護サービスは通所ケア、移動入浴、老人ホームなどの運営を行っている老人福祉事業所のうち、過去10年間で休廃業・解散したのは全国で428件。年ごとの数を見てみると、2014年が最も多く130件と全体の約3割を占めていました。更に、倒産した事業所も過去243件中2014年は45件。全体の18パーセントほど。

介護サービスなど高齢者向け事業を行っている企業・団体の経営が悪化していることに加えて人手不足や競争の激化などを背景に経営を続けられなくなるケースが多いと予想されています。

特に、今回発表された休廃業・解散した老人福祉事業所の経営規模を見てみると、約半数が小規模事業所。法人格別に見ると株式会社が全体の約4割を占める結果となっています。

帝国データバンクでは、小規模事業所の多くが在宅介護サービスを主な収益源としていた事業所ではないかとみており、今年4月の介護報酬引き下げを受け、今後も経営を存続することが難しくなる事業所数が多い傾向は続くと予想しています。

施設から在宅へのシフトが図られた介護保険法改正。加算申請などの事務手続きをする余裕がなく、収益減を免れないのではないかという理由から経営悪化の煽りを受けることが予測されているのは在宅介護サービスを提供している中小規模事業所。

待ったなしの介護報酬引き下げ。この影響で中小規模事業所の経営が悪化してしまえば、利用者である高齢者にとっても生活に必要なサービス事業所を自由に選ぶことが難しくなり、大手に一極集中することに繋がりそうな気配が増々強まってきています。



「みんなの介護」より



人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。

しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。


森信三


リハビリ系新加算に見る現場の未来



再び、介護報酬改定について考えてみます。今回は、少し長い目で見た介護保険の行方を絡ませてみましょう。事業所の中には、すでに3年後の再改定をにらみ(居宅介護支援としては、平成30年度の指定権限の移行も視野に入れなければなりません)、思い切った業務改革をスタンバイさせている所もあるようです。その際に「なすべきこと」のヒントを、今回の報酬改定から探し出してみましょう。

アフターフォローまで評価対象となる加算

一連の報酬改定の中には、今まであまり見られなかった「考え方」が刻まれている部分があります。それが、訪問・通所のリハビリ系サービスにおける加算です。注目したいのは、通所リハビリで新設された「生活行為向上リハビリ実施加算」と、両サービスで設けられた「社会参加支援加算」です。

どこがポイントなのか。前者でいえば、「通所リハビリサービスの提供を終了する前に、どこまで目標が達成できたかを会議で報告すること」、そして「目標で定めた実施期間を超えてリハビリを行なった場合は、一定期間減算されていく」ということです。つまり、リハビリを「卒業する」という目標が達成できなければ、事業所の報酬に対してペナルティが課せられるというしくみです。

後者は、リハビリを「卒業した」人が、その後の社会参加(通所介護などへの移行も含む)にどれだけつながっているか。また、きちんとつながっていることをチェックしているかどうかが算定要件となっています。ここでは、すでにサービスが終了した後の「アフターフォロー」も評価の対象となるわけです。


何をしたかではなく、結果を求めるしくみ


サービスを目標通りに「卒業」(終了)できるか、そして、その後の「社会参加」が果たされているか。これは、事業所内でどんなリハビリを行なっているかではなく、その結果を評価するしくみです。予防通所などでは「事業所評価加算」がありますが、ここまではっきりと「送り出し」を評価した報酬体系は、これまで見られませんでした。

この評価の流れは、介護給付費分科会と並行して行われた「高齢者の地域におけるリハビリの新しいあり方検討会」の取りまとめを受けて新設されたものです。それだけ厚労省が力を入れた部分といえます。今回はあくまで試行段階かも知れませんが、実績次第では、次の報酬改定で現場にインセンティブをもたらす手法として、広がる可能性があります。

なぜリハビリ系サービスにとどまらない広がりが予想されるのか。それは、たとえば「社会参加支援加算」の要件として、居宅のケアマネから「送り出し後のケアプラン」を取り寄せたり、「送り出し後のサービス担当者」と連携することが示されているからです。すでにリハビリとしてはかかわっていないにもかかわらず、その後の利用者の状況について多職種連携を図ることを求めているわけです。


今回のリハビリ評価が他サービスにも波及!?


リハビリから他の社会資源へバトンタッチした後の状況も問われてくるとなれば、いずれは「他のサービス資源が重度化防止に効果を上げているか」が問われる可能性があります。たとえば、「卒業」後に再び生活機能が悪化すれば、今度は「リハビリサービスの入っていないケアプランの重度化防止効果」をどうやって評価するかが、介護報酬の議論で問われてくることも考えられます。

利用者は高齢なのだから、状態が悪化することは自然に起こり得る。そこにペナルティなどを含めた評価を課せるはずがない──と思われるかもしれません。しかし、社会保障財政のあり方に厳しい目を向ける財務省などとしては、今回のリハビリにかかる評価手法に着目しているはずです。単なる杞憂で終わる話ではないと考えることも必要です。

ケアマネとしても、今まで以上にリハビリ系サービスの状況に目を配り(いずれにしても、リハビリカンファレンスへの参加も求められるケースが増えてきます)、そこで何が起こるのかをしっかり把握したいものです。


いつもありがとうございます。

介護関連記事しばらくは増えそうです。


熊谷翼