「人間は、何か原因を特定しないと心身が安心しないようにできています。ですから、何かの原因が起これば、必ずその原因を特定して安心しようとします。そして私たちは、何を原因と考えるかによって、その後の行動や感情が変化するんですよ。うまく原因を特定することで日常生活が順調になることもあれば、逆に原因の特定によって心身の調子や社会適応能力が悪化したりすることもあります」
(「キッパリ生きる!仏教生活」釈徹宗 )
出来事の原因を特定することを「原因の帰属」という。
原因の帰属は「内的帰属」と「外的帰属」に大別できる。
「内的帰属」とは、その原因できある帰属先を自分の性格や能力などの内的なものに求める傾向のこと。(例えば、トラブルの原因を自分の性格のせいだ、と自分を責めること)
「外的帰属」とは、原因を環境や社会や経済状態といった外的なものに求める傾向のこと。
原因帰属理論の第一人者ハロルド・ケリーは「内的帰属」と「外的帰属」以外に、「第三の帰属―宗教的帰属」があるという。
例えば、自分の力ではどうしようもないことがあり、その結果は受け容れるよりほかない、という態度。
「人間を超える大きな存在におまかせする」といった態度。
あるいは、「自分ひとりの力でうまくいっているのではない」という態度。「おかげさま」という態度。
なんでもかんでも「内的帰属」「外的帰属」「宗教的帰属」に偏ってしまわず、バランスをとることが重要。