訪問販売お断りシール | 南大阪・松原市で働く行政書士のブログ

訪問販売お断りシール

今月12月1日、改正特定諸取引法が施行されました。


以前にも少し書きましたが訪問販売等に対する規制を強めた内容となっています。


そのなかで今、少し物議を醸している物があります。



それは「訪問販売お断りシール」。



よく玄関や表札の近くなんかに貼ってあるのを見ると思います。


何故これが問題となっているのでしょうか?



今回改正された特定商取引法では、
「訪問販売業者に『契約を締結しない旨の意思』を示した消費者に対しては、契約
の勧誘をすることを禁止する」
としています。


訪問販売業者に対して、「買わない」という意思表示をすれば、それ以上の営業を
仕掛けてはいけないという意味です。


ここで登場するのが「訪問販売お断り」のシール


通常考えれば、文字通りこのシールは「契約を締結しない旨の意思」を表しています。



しかし、消費者庁の見解はそれを否定。


運用指針によれば、
「『訪問販売お断り』とのみ記載したシールは、意思表示の対象や内容が不明瞭で
あるため、契約を締結しない旨の意思の表示にはあたらない」
とされています。


直接会って断るか、インターホン越しに断らないと拒絶の意思表示に当たらないと
いう説明です。


もっと言えば、「訪問販売お断りシール」にはなんの効力もないと消費者庁が認めた
ような形。



現在、奈良県のとある市では、悪質な訪問販売の苦情が絶えない為、市消費者保護
条例を施行し、訪問販売お断りシールを無視して業者が訪問すると条例違反となり
悪質な場合は業者名等を公表するとしています。


それ以外にも滋賀県等もこのシールを配布し、無視する業者は消費生活条例に反す
る行為として市町村に説明しています。


しかし今回の運用指針として、それらが全て否定される形となりました。



消費者庁の思惑は、今のところ不明です。