ある海外からの研修生 | 南大阪・松原市で働く行政書士のブログ

ある海外からの研修生

今日家に帰ってみると、ベトナムからの研修生二人と中国からの研修生一人が食事をしに来ていました。


研修生という名目ですが、実際は半分出稼ぎのようなもの。


正規のルートで来ていれば、ちゃんとサポートも付き日本で様々な勉強をしながら数年間過ごすのですが、みんながみんなそういった経路で日本に来ている訳ではありません。


なかには裕福な家庭の子供で(特に中国など)全面的に親にお金を出して貰い、遊学のような形できている子もいます。


ちなみに日本語学校の費用約70万円というのは、むこうにしてみると2年分の年収だそうです。


日本で考えると、200万から300万円といったところでしょうか?


ま、これはあくまで恵まれた話。





今日きていたベトナムからの研修生の内一人は、5月一杯で国に帰るそうです。


彼は、コンピューターの技術者という事で日本へやってきました。


しかし、話をよく聞いてみるといわゆる正規の政府筋のルートで日本にきた訳ではなく、民間の業者に紹介されてきたとのこと。


ちなみに自分が今住んでいる地域は、大阪でもどちらかというと田舎の方なので、そんなIT関連の企業なんてあるはずもありません。


彼が従事した仕事は、一日10時間程立ちっぱなしの金属工場。


しかも時給も日本人にくらべれば、相当安い金額。


で結局、腕を怪我してしまい仕事が出来なくなったので、国に帰るそうです。


聞いていて、少しやるせない気分になりました。


彼の目には、この国はどんな形で映っているのでしょう。





大阪のみならず、日本には今アジアからの出稼ぎの労働者は非常に増えています。


しかし労働環境は恵まれているとは言えません。


この自分の住んでいる大阪の片田舎でも、深夜に時給200円で働いている中国からの出稼ぎ労働者もいます。


労基署に訴える事は簡単でしょう。


しかし、それをすれば彼らの働く場所はなくなってしまいます。


そして日本円にしてはわずかな金額ですが、それを国に送金すれば相当大きな金額になります。


なので、誰もそこには文句は言いません。


この事実が、正しいのか間違っている状態なのか、そこの判断もかなり難しいと思います。


ちなみに件のベトナムの彼は、少ない給料のうちから毎月10万円ほどを国へ仕送りしていました。


約一年それを続けていたので、むこうでは家が建つぐらいにはなっています。


しかしこっちでは、年中ほとんど同じ服を着て過ごしていました。




国際間の問題でもありますし、またこの日本で住んでいる人間の判断や考え方では全てを理解する事は難しいでしょう。


まして自分は素人。


少なくとも行政書士の資格ぐらい持っていれば、傍観者ではなく、なにかしら建設的なアプローチが出来たんじゃないかと思います。


色々話しを聞いているうちに、少し無力感のようなものを感じました。





これからまだG.Wは続きます。


朝からパチンコ屋にならんで、自分で何万円もつっこんだ挙げ句店員に文句ばっかり言っている人間もいれば、ほとんど同じ地域にこうやって遊ぶこともなく働いている人間もいます。



だからどうしたと言われればそれまでですが、誰が一番幸せなのでしょうか?