第一印象を一言で言えば『小春日和』的アルバム。そして、『もうこの冬の次に春は来ない』ということがわかっているアルバム。
みゆきさんももう67歳ですし、全国ツアーもファイナルと銘打たれていて、体力的に活動を縮小せざるを得ないことがわかっている。
そういう状況で出されたアルバム。まだ『作詞作曲』は伸びるかもしれないけど『歌手』としては縮小せざるを得ない。
そういう状況でリリースされたアルバムです。
中島みゆきのアルバムとしては悲恋の歌も、激しいがなりもなく、穏やかで柔らかな、小春日和的な感触。
ドラマタイアップが濃いので入門用にどうか、と考えましたが、中島みゆきというアーティストの概要を知る、には物足りない印象ですね。
中島みゆき入門としては、タイアップ先のドラマに興味がなければAmazon PrimeのPrime特典配信の選曲のほうがいいです。
(中島みゆき ソングス in Primeというものです。)
活動を縮小せざるを得ない。つまり、いつ別れが来てもおかしくない。という……のは、穿ち過ぎでしょうか?
10曲中4曲、TV-MIXを入れると全アルバムの半数がドラマのタイアップ曲ですが、あまりそういう感触はありません。
中島みゆきが、『今』、描きたい世界と、ドラマの世界のベクトルが近かったからかも知れませんが。
『観音橋』は曲調などが好きだったのですが、意味がわかると怖く?なる曲。
『終り初物』『齢寿空任せ』はこのアルバムの要所に位置していて、このアルバムを象徴する曲、なのかも知れません。
『進化樹』については……『無限・軌道』の作者であることを考えても『利己的な遺伝子』を読んで欲しい感じもしますが、
多分勘違いしてるのは私でしょう。
楽曲の印象とは関係ないのですが、CDをリッピングしてMP3にし、MP3プレイヤーに入れる場合、
好みにもよりますが、最後の2曲(TV-MIX)は外しておいたほうがいいかも知れません。
どうでもいいですけど、アルバムのレビューって全曲紹介するのが常識なんですかね。
ちなみに、一部amazonレビューと内容が被っていますが、同じ人が書いたので仕方ないと思います。