ヘルニア?
ヘルニア? 40代 女性 伊勢崎
腰痛から下半身の痛みとしびれを訴えて来院された。
慢性的な腰痛で最近になり左スネまでしびれることもある。
腰部・お尻・右膝に痛み。
両ふとももの外側と左スネにしびれを訴える。
朝方・夕方になると痛みが増加し座るとふとももまでしびれる。
最近は痛みで寝返りがうてない。
整形外科でレントゲン撮影しヘルニアと診断される。
リハビリは牽引と湿布でしばらく通院されたが変化なし。
前屈・右屈動作で腰部・骨盤に痛みが出現する。
下半身の筋力テストをすると弱化がみられる。
神経系の伝達を促す治療と筋肉にアプローチをかける。
前屈動作での痛みは半減、右屈の痛みは取れたようである。
レントゲンでは椎間板は写らないので
症状に問わずヘルニアの有無は判定できない。
今後の治療計画を伝え本日の治療は終了した。
ヘルニアの主症状は①脊柱症状②神経根刺激症状③神経脱落症状
の3つに分けられるが、この患者の場合は①と③はあるが②は見当らない。
整理すると今までヘルニアと診断された患者で真のヘルニアで
神経圧迫を呈して麻痺症状を訴える患者を正直まだ見たことがない。
昔はヘルニアで痺れや痛みがあると思っていたが損傷した神経根レベルでの、
一致した痛みやしびれが神経走行と合わないので疑問があった。
このような臨床例があった腰痛と下腿のしびれで立つことも困難になったため、
その患者は脊柱管狭窄症と診断されて椎弓切除術を受けた。
※脊柱管狭窄症とは脊柱管(骨)狭小化し馬尾・神経根を圧迫するもの。
術後は立てるようになったが腰痛と下腿のしびれは変化なし
特に左右の足底にはしびれ感が術後増してきたと訴えてきた。
立つことができたのは除圧により脊柱管内の圧力が軽減はされたためで、
下腿の痺れと腰痛が残っているのは脊柱管(骨)の神経圧迫ではなく、
原因は違うところにある。
ヘルニアと診断されている方の多くは、ヘルニアによる痛みやしびれではなく
他に原因がある。多くは偽装のヘルニアと診断され片付けられている。
☆健常者の椎間板異常
対象と方法
20~80歳までの健常者98名を対象に、
腰部MRIで撮影しそれに腰下肢痛患者のMRI画像27枚を混入させ、
内容を知らない2名の神経放射線医が読影。
結果
少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、
椎間板脱出が1%認められた。どの椎間板にも異常が見られな
かったのはわずか36%。
ensen MC, et al : N Engl J Med, 1994